BASEL WORLD2012 ULYSSE NARDIN New Model | 2012年 ユリス・ナルダン新作 クラシコ ルナ　01

　 天体の惑星運動とユリス・ナルダンの関係は19世紀末から続いていると言っても過言ではない。そもそもマリンクロノメーター自体が航海中の海上での経度測定のため、惑星観測と連動して使用されたからである。ゆえにユリス・ナルダンが天文時計の製作を自史から捉えて当然のことと考え、結果、1985年から1992年にかけて「天文時計三部作」を発表したのは当然のことであった。

　 この伝統を踏襲したのが2009年の「ムーンストラック（Moonstruck）」である。ダイアル中心部にペイントされた地球を描き、その周辺には月のディスクを配置。地球ディスクの回転に合わせて月も地球の周囲を周り、ディスクの移動に合わせて月のムーンフェイズが変化するという複雑モデルであった。

　 今回の「クラシコ ルナ（CLASSICO LUNA）」は、この「ムーンストラック」のモダン・バージョンと言える。理由は「ムーンストラック」が美しいペイントで地球を描いた古典的な美観を備えた時計であったのに対し、当モデルの地球はマットグレイ単色の仕上げで、地球ディスク外周部に位置する月も円形窓のみという、実にモダン・シンプルな仕様となっているからだ。ケースは2008年に限定版、2009年には3針のレギュラーモデルが発表されたクラシコケースを採用。ローズゴールドとステンレススチールの計6型が用意されている。

＞地球との位置関係を捉えたムーンフェイズ