いつの時代もバーゼル・ワールドの話題の中心となるのは、スイスで作られる伝統的な機械式時計である。しかしその一方で、時計の未来像を示す新技術に対する興味も、年々高まっているように思える。
特に電波時計や光発電などは、「いつでも正確に現在の時刻を表示する」という時計の本質に沿った技術なだけに、伝統的時計に対するライバルではなく、別の価値を持つモノとして評価される時代なのであろう。
シチズン(CITIZEN)といえば先進技術で知られる時計メーカー。長年メイン会場内の一等地に巨大なブースを構えて存在感を示してきたが、2009年から始まったコンセプトウォッチによって、ハイテク技術をベースにした“技術と美の融合”という立ち位置をより明確にしてきた。
しかもシチズン(CITIZEN)ではコンセプトウォッチを、絵に描いた餅では終わらせない。昨年発表したコンセプトウォッチ3種の中から、早くも「エコ・ドライブ ドーム」が実用化に成功。世界限定500本で発売される。
さらにこれに留まらず、2010年は2種のコンセプトウォッチを発表してきた。ひとつはケースの中に時計が浮かぶ美しいレディスウォッチ「エコ・ドライブ ループ」。さらにメンズモデルとして発表された「エコ・ドライブ アイズ」は、セラミック製のインデックスやインダイアルを立体的に仕上げることで陰影を楽しむ哲学的なモデル。外縁のミニッツトラック部分にソーラーセルを組み込むという、シチズンらしい技術も投入している。
感性を揺さぶる時計はスイス勢ばかりではない…。メイド イン ジャパンの誇りが詰まった傑作が、ここから生まれる予感がある。
取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:堀内僚太郎(Storm) Photos:Ryotaro Horiuchi(Storm)
※表記は2010年5月現在のものになります。
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