ジュネーブで開催されるSIHHの位置付けは"高級時計サロン"であり、カルティエを筆頭とするリシュモングループが主催し、参加メーカーはいずれも業界トップクラスの名門がずらりと居並ぶ。それゆえ紹介される新作の多くが、高額モデルになるのは仕方がないだろう。
しかし世界的な不況に見舞われた今年は、どのメーカーも戦略的な価格帯のモデルをラインナップしてきた。それでも百万円台クラスが主流のSIHHにあって、良い意味で異色の存在となるのが、ボーム&メルシエ(BAUME & MERCIER)だ。
ボーム&メルシエ(BAUME & MERCIER)は1830年に創業されており、SIHHに集まるメーカーの中ではジラール・ペルゴに次ぐキャリアを誇る。しかも創業以来一度も途絶えることなくブランドは継続しており、時計文化の継承者としての評価も高い、いわゆる"老舗で名門"である。
しかしその一方でどのメーカーよりも"Value for Money"の精神を尊ぶ。品質やデザイン、価格のバランスが取れた時計を作るという意思は、時計バブルに踊った時期でも一貫していた。ミドルレンジと呼ばれる30万円台をメインに揃えるラインナップは、どんな時代であっても姿勢がぶれることはない。
ボーム&メルシエ(BAUME & MERCIER)の今年の戦略は、根幹コレクションである「クラシマ エグゼクティブ」の拡充化にある。ビジネスマンに好まれるようなシンプルで美しく、嫌みのない正統派のデザインは、いつの時代でもスタンダードになる。しかもその多くが30万円前後で手に入るのだ。
ミドルレンジの時計は高級時計の入門編として大切なポジション。この価格帯に品質の良い時計が揃うことで、機械式時計愛好家の裾野が大きく広がる。ボーム&メルシエの時計文化への貢献度は、今も昔もとても大きいのである。
取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:堀内僚太郎(Storm) Photos:Ryotaro Horiuchi(Storm)
※表記は2010年2月現在のものになります。
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