「フリーク」に代表される超複雑時計、「ソナタ」等のミュージカル時計、そしてマリン・クロノメーター製造史を継承する「マリーン」など、ユリス・ナルダンのコレクションは実にジャンルが多彩だ。
超複雑時計としてはオーナー兼社長であった故ロルフ・W.シュナイダー氏の指揮で、ルードヴィッヒ・エクスリン博士の開発により、すでに1980年代に天文腕時計三部作(「アストロラビウム・ガリレオガリレイ」「プラネタリウム・コペルニクス」「テリリウム・ヨハネスケプラー」)を発表。最近ではあまりアピールされていないが、ユリス・ナルダンの開発力を示す証左としてあらためて記したい。
超複雑時計は2001年のカルーセル・トゥールビヨン+デュアル・ダイレクト脱進機搭載の「フリーク」でさらに前進。この時すでにシリコン製脱進機を研究していたことに、彼らの先進性が見て取れる(シリコン製脱進機が時計界に登場したのは、2007年頃から)。
一方、自社開発ムーブメントは創立160周年を迎えた2006年の「Cal.UN-160」(「アニバーサリー 160 リミテッド・エディション」搭載)に始まり、2011年の「UN-118」(翌年「マリーンクロノメーター・マニュファクチュール」に搭載)へ続き、そしてついに2013年の今年、一気に5つもの自社開発ムーブメントが登場した。
これらはCal.UN-690(「ストレンジャー Stranger」)、Cal.UN-205(「フリーククルーザー Freak Cruiser」)、Cal.UN-170(「スケルトン トゥールビヨン マニュファクチュール Skeleton Tourbillon Manufacture」)、Cal.150(「マリーン クロノグラフ・マニュファクチュール Marine Chronograph Manufacture」)、Cal.UN-310(「ジェイド Jade」)と錚々たる布陣である。詳細は次ページから始まる、主要4ムーブメントを搭載した4モデルの紹介記事をご覧いただきたい。