バーゼルが現在の展示様式を採用して以来、第41回目となった2013年のバーゼルワールド(BASELWORLD Watch and Jewellery Show 2013)。当地出身の世界的建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog&de Meuron)により装いを新たにしたメインホール1.0を中心に、世界40カ国から集った1460もの出展社により4月25日から5月2日までの延べ8日間の展示会が盛大に行われた。
まさに“バーゼル新時代”を感じさせたのはメインホール1.0における各ブランドの出展位置である。エントランスから奥へと一直線に続くメインストリートは、人気も実力も当代屈指のブランドの定番位置。ここにブースを構えたのがブルガリ、タグ・ホイヤー、ウブロ、ゼニスであり、ブルガリ・グループとLVMHグループの躍進ぶりに否が応でも気付かされる。そして昨年までと同様ロレックス、パテック フィリップ、ショパールが続き、その奥に玉座のようにロゴを掲げているのがオメガ他スウォッチ グループだ。さらにブライトリング、シャネル、ジラール・ペルゴ等グッチグループが連なり、これだけでも現在のスイス時計産業の勢力図が分かるのである。
それにしてもスイス時計産業の隆盛ぶりは留まるところを知らない。この20年間は2010年を除いて右肩上がりの成長を続け、昨年2012年の時計総輸出額は対前年度比約20%増の214億スイスフラン(2兆1400億円)。数字がすべてスイス時計の魅力を表しているわけではないが、確実な証拠のひとつではある。バーゼルワールド本部が5月2日に配信した公式データによると、本年の入場者数は昨対比17%増の12万2000人(一般客含む)、登録ジャーナリスト数は昨対比9%増の3610人だ。公式データからも本年のスイス時計総輸出額が再び新記録を樹立することは、間違いなさそうである。
おおよそ時計が発明されて以来、我々は未曾有の時計王国時代の渦中にあると言っても過言ではない。それを実感した2013年のバーゼルワールドであった。
取材・文:田中克幸、名畑政治、篠田哲生
Report&Text:Katsuyuki Tanaka、Masaharu Nabata、Tetsuo Shinoda
写真:高橋和幸(PACO)、堀内僚太郎、江藤義典(PACO)
Photos:Kazuyuki Takahashi(PACO)、Ryotaro Horiuchi、Yoshinori Eto(PACO)
Gressiveスイス取材チーム 田中克幸
今回の取材において我々は時計新時代の目撃者となれるか? 全く新しくなるバーゼルワールドを目前にして、このような大仰な期待を持っています。会場の構成や情報サービス面と、もちろん各時計会社から発表される新作、今回はマクロ的な視点とミクロ的な観察で現場に向かいたいですね。きっと過去最高の訪問者数で会場はごった返すでしょう。これはちょっと嫌ですが。
Gressiveスイス取材チーム 名畑政治
さて再びバーゼル・ワールドの季節。ここでもジュネーブと同様、トレンドに引っ張られるのではなく、各ブランドが個性を伸展させるような傾向は感 じられるのか? また、今年は会場がリニューアルされバーゼル・ワールドは新たな時代へ走り出します。それが、時計界の勢力地図にどんな影響をお よぼすのか? これも興味深いポイントです。
Gressiveスイス取材チーム 篠田哲生
予想以上に「手堅い」印象だったSIHHを受け、BASEL勢はどんな新作を出すのか?
昨年同様ミドルレンジの価格帯が充実することは間違いないだろうが、安易に「手堅く」するのではなく、ブランドごとの個性が出ていることに期待したい。
さらに新しくなった見本市会場&ブースも楽しみ。
インテリア愛好家目線でチェックしたいです。
BASEL WORLD(バーゼル・ワールド)2013 詳細
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