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IWC historyIWCパイロット・ウォッチのすべて 08

“スピットファイア”シリーズ “SPITFIRE”series- 歴史に残る名戦闘機に敬意を表して -

Part.3 “スピットファイア”シリーズ
“SPITFIRE”series
- 歴史に残る名戦闘機に敬意を表して -

 第二次世界大戦で英国を死守した功績から“救国戦闘機”と呼ばれる、英スーパーマリン社製造のスピットファイア。英国王立空軍(RAF)への納入の歴史から2003年、IWCは当機を讃える「スピットファイア」モデルを発表、3年後の2006年にはコレクションへと独立する。“スピットファイア”の名称は“マーク”と共にIWCパイロット・ウォッチの様々なコレクションに多用され、2006年では「パイロット・ウォッチ・スピットファイア・マーク XVI」(Ref.IW3255)、2016年には「ビッグ・パイロット・ウォッチ“スピットファイア”」(Ref.IW500917)が登場。さらに2019年のリニューアル時には「パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア」(Ref.IW326801)でコレクションの進化を試みた(余談だがIWCは“トップガン” “スピットファイア” “マーク”の名称を「パイロット・ウォッチ」「ビッグ・パイロット・ウォッチ」等に多用する傾向があり時に混乱する)。


PILOT'S WATCH AUTOMATIC SPITFIRE
パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア

  • パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア
  •  第二次世界大戦後に英国王立空軍(RAF)が立案した「Navigater’s Wrist Watch Mark 11、Ref.No.6B/346」(もしくは単に「Mk.11」)計画の元に指定された、W.W.W.腕時計製造会社12社に入っていたIWC。彼らの努力は1948年「マーク11(Mark 11)」に結実し当空軍の採用となる。そのデザインを継承するモデルが2019年登場の「パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア」(Ref.IW326802)。グリーンの布製ストラップを装備した姿は「マーク11」を彷彿とさせる。新開発の自社製自動巻きムーブメント32000シリーズ初搭載のモデルで、当モデルにはCal.32110を採用。発表同年の2019年にIWCはスピットファイアによる世界一周フライトをサポート、その記念にケースバックには当機のシルエットが刻印される。

  • パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア
  • Ref:IW326801
    ケース径:39.0mm
    ケース厚:10.8mm
    ケース素材:ステンレススティール
    防水性:6気圧(60m)
    ストラップ:カーキグリーンの布製ストラップ
    ムーブメント:自動巻き、Cal.32110(自社製)、毎時28,800振動(4Hz)、21石、約72時間パワーリザーブ
    仕様:時・分・秒、日付
    価格:660,000円(税込)


PILOT'S WATCH AUTOMATIC SPITFIRE
パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア

  • パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア
  •  2019年、スピットファイア・コレクションのリニューアル時に、ステンレススティール(SS)・モデルと同時に発表されたブロンズケース・モデル。グリーンダイアルとブラウンカーフストラップはどちらもミリタリーカラーを連想させるが、経年変化に耐え抜いたかのような貫禄あるブロンズケースが目を惹く。SSケースと共に価格的にIWCパイロット・ウォッチのエントリーモデルと言えよう(他には「パイロット・ウォッチ・マーク XVIII ヘリテージ」や「パイロット・ウォッチ・マーク XX」が挙げられる)。ケースとストラップ、ダイアルカラー以外のスペックはSSモデルと同じ。2022年現在で「スピットファイア」銘入りのモデルはここで紹介する「パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア」(3モデル)以外には「ビッグ・パイロット・ウォッチ 43・スピットファイア」(Ref.IW329701)や「ビッグ・パイロット・ウォッチ・ビッグデイト・スピットファイア“ミッション・アコンプリッシュド”」(Ref.IW510506)、「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ」(3モデル)がある。

  • パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア
  • Ref:IW326802
    ケース径:39.0mm
    ケース厚:10.8mm
    ケース素材:ブロンズ
    防水性:6気圧(60m)
    ストラップ:ブラウンカーフスキン
    ムーブメント:自動巻き、Cal.32110(自社製)、毎時28,800振動(4Hz)、21石、約72時間パワーリザーブ
    仕様:時・分・秒、日付
    価格:742,500円(税込)


PILOT'S WATCH CHRONOGRAPH SPITFIRE
パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・スピットファイア

  • パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・スピットファイア
  •  2019年のスピットファイア・コレクションのリニューアル時に、中3針カレンダーのオートマティックモデルと同時に発表されたクロノグラフ。中3針オートと同じく当モデルにも自社製ムーブメントが搭載。その自社製自動巻きCal.69380は、これまで使用したベースムーブメントのETA7750と同じインダイアル・レイアウトで、極めてオーソドックスなデザイン。1992年の「パイロット・ウォッチ・ドッペル(ダブル)クロノグラフ」(Ref.IW3711)や1994年の「フリーガークロノグラフ(パイロット・ウォッチ・クロノグラフ)セラミック」(Ref.IW3705)と同じく、IWCにはこのダイアル・レイアウトにデザイン的・メカニズム的なこだわりがあるようだ。

  • パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・スピットファイア
  • Ref:IW387901
    ケース径:41.0mm
    ケース厚:15.3mm
    ケース素材:ステンレススティール
    防水性:6気圧(60m)
    ストラップ:カーキグリーンの布製ストラップ
    ムーブメント:自動巻き、自社製Cal.69380(自社製)、毎時28,800振動(4Hz)、33石、約46時間パワーリザーブ、クロノグラフ
    仕様:時・分・秒(6時=スモールセコンド)、日付・曜日、クロノグラフ(9時=12時間積算計、12時=30分積算計)
    価格:940,500円(税込)



Part.4 “マーク”シリーズ
“MARK”series
- 英国王立空軍との長きにわたる歴史を顕彰 -

 1945年、IWCは英国陸軍用に初代“W.W.W.”(Watch,Wrist,Waterproof)腕時計=「マーク X」を開発。さらに1948年は伝説の名機「マーク11」が登場し、IWCにとって“マーク(Mark)”という文字は自社の歴史を顕彰する重要なキイワードとなった。以降1994年に「マーク XII」、1999年には「マークXV」銘入りのパイロット・ウォッチを発表(「XIII」と「XIV」は欠番)。以降はコレクションの増加と共に“マーク”モデルのバリエーションも増加。2006年にはスピットファイアとの連名で「パイロット・ウォッチ・スピットファイア・マーク XVI」(Ref.325504)、2012年「パイロット・ウォッチ・マークXVII」(Ref.326501)に続き、2016年の「マーク XVIII」は、「パイロット・ウォッチ」と「トップガン」からダブルで登場。さらに創業150周年の2018年には「パイロット・ウォッチ」「トップガン」「プティフランス」名も兼ねて同時発表するなど相当数のモデルが展開。そして2022年には「パイロット・ウォッチ・マークXX」(4モデル)が登場し、ついに8代目に到達した(「マーク XIX」は未発売)。


PILOT'S WATCH MARK XVIII HERITAGE
パイロット・ウォッチ・マーク XVIII ヘリテージ

  • パイロット・ウォッチ・マーク XVIII ヘリテージ
  •  2012年に続く「パイロット・ウォッチ・イヤー」と呼べるほど豊富な新作が揃った2016年に発表。渋いダークブラウンのダイアルとベージュの時分秒針、そしてインデックスには数十年の時を過ごしたかのようなヴィンテージモデルの風格を感じさせる。デザインは1948年の「マーク11」の系統を引き継ぎ、パイロット・ウォッチの証である12時位置の三角マークや両サイドのドットが設けられている。チタニウムケースを採用し、搭載ムーブメントはセリタ社製SW300-1aベースの自動巻きCal.35111。IWCのパイロット・ウォッチのカレンダーディスクはホワイトベースが多いが、当モデルはブラックベースに白抜き数字というのが珍しい。価格的にもエントリーモデル、あるいは2本目のIWCに適している。

  • パイロット・ウォッチ・マーク XVIII ヘリテージ
  • Ref:IW327006
    ケース径:40.0mm
    ケース厚:10.8mm
    ケース素材:チタニウム
    防水性:6気圧(60m)
    ストラップ:ブラウンカーフスキン
    ムーブメント:自動巻き、Cal.35111、毎時28,800振動(4Hz)、25石、約42時間パワーリザーブ
    仕様:時・分・秒、日付
    価格:605,000円(税込)


PILOT'S WATCH MARK XX
パイロット・ウォッチ・マークXX

  • パイロット・ウォッチ・マークXX
  •  2022年に6モデルの展開で登場した「パイロット・ウォッチ・マークXX」は、“マークXVIII”の正統派後継機種である(“マーク XIX”は未発売)。その決定的な違いは搭載ムーブメント。前機種ではETA社2892-A2ベースのCal.30110と、セリタ社SW300-1aベースのCal.35111をモデルによって使い分けていた(共に自動巻き)。一方“マークXX”では自動巻きCal.32111を搭載。その歴然とした差はパワーリザーブと防水性能にある。Cal.30110とCal.35111の約42時間に比べ、“マークXX”搭載のCal.32111は約120時間で、実に3倍弱のロングパワーリザーブを実現。また防水性能は6気圧から10気圧へアップした。ダイアルデザインはアラビア数字インデックスが若干丸味を帯びた書体に、また日付窓は白地に黒数字に変更。ダイアルカラーはブラックとブルーの2種類用意。

  • パイロット・ウォッチ・マークXX
  • Ref:IW328201
    ケース径:40.0mm
    ケース厚:10.8mm
    ケース素材:ステンレススティール
    防水性:10気圧(100m)
    ストラップ:ブラックカーフスキン
    ムーブメント:自動巻き、Cal.32111、毎時28,800振動(Hz)、21石、約120時間パワーリザーブ
    仕様:時・分・秒、日付
    価格:687,500円(税込)


PILOT'S WATCH MARK XX
パイロット・ウォッチ・マークXX

  • パイロット・ウォッチ・マークXX
  •  1948年登場の“マーク11”から数えて7代目(マークXIIIとXIVは諸外国の数字へのジンクスを考慮し欠番、XIXは未発売)に当たる「パイロット・ウォッチ・マークXX」のグリーンダイアル・バージョン。基本スペックはブラックダイアルと同じだが、他にブレスレットとストラップの交換が容易な「EasX-CHANGE」システムを採用。またパイロット・ウォッチのカテゴリーでも当モデルには軟鉄製インナーケースは装備されていない。「パイロット・ウォッチ」はIWC初のコレクション名であり、その歴史は1936年「スペシャル・パイロット・ウォッチ」(Ref.IW436)に始まり、2022年において実に85年を超える。

  • パイロット・ウォッチ・マークXX
  • Ref:IW328205
    ケース径:40.0mm
    ケース厚:10.8mm
    ケース素材:ステンレススティール
    防水性:10気圧(100m)
    ストラップ:ブラウンカーフスキン
    ムーブメント:自動巻き、Cal.32111、毎時28,800振動(Hz)、21石、約120時間パワーリザーブ
    仕様:時・分・秒、日付
    限定:ブティック限定モデル
    価格:687,500円(税込)



協力:IWC / Special thanks to:IWC



  • 構成・文 / Composition & Text

    田中 克幸 / Katsuyuki Tanaka
    Gressive編集顧問。1960年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後、徳間書店に就職。文芸部を経て1988年「グッズプレス」創刊に携わり、後に編集長に就任。この間、1993年に同社で「世界の本格腕時計大全(後の『TIME SCENE』)を創刊し、2009年まで編集長を務める。同年より「Gressive」に参加。1994年よりスイスを中心としたヨーロッパ各国を取材、現在も継続中。

  • 写真 / Photos

    江藤 義典 / Yoshinori Eto
    フォトグラファー。1981年、宮崎県生まれ。2001年に上京。2006年、知人の紹介でカメラマンの個人スタジオのアシスタントに。スタジオ勤務を通し写真撮影とデジタル・フォト加工技術を習得。2013年に独立し、自らのスタジオを開設。Gressiveをはじめ、メンズ誌、モノ情報誌、広告等で活動。スイス時計フェアは2015年から撮影を継続。

INFORMATION

アイ・ダブリュー・シー(IWC)についてのお問合せは・・・

アイ・ダブリュー・シー
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-4
TEL: 0120-05-1868


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