1980年代、今は亡きF1ドライバー、アイルトン・セナの人気の高まりとともに、彼をスポンサードするウォッチメーカーとして、さらに支持層を拡大したタグ・ホイヤー(TAG Heuer)。今でこそ多くのメーカーがスポーツの世界大会をバックアップしているが、タグ・ホイヤーは20世紀初頭から三年連続でオリンピックの公式時計を担当するなど、スポーツの世界とのかかわりは非常に古い。1/1000秒の差を争う苛烈なレーシングで、タイムキーピングという重要任務をつかさどるクロノグラフの製造は、タグ・ホイヤー社の枢要をなす取り組みになっているのだ。そんな純然たるスポーツウォッチブランドが放つ、クロノグラフモデルのハイエンドピースをここに紹介したい。
※クリックすると詳細をご覧になれます
GRANDCARRERA CHRONOGRAPH RS2
モデル名:グランドカレラ クロノグラフ RS2
Ref:CAV518B.FC6237
ケース径:43mm
ケース厚み:14.85mm
ケース素材:チタニウム(グレード2)
防水性:10気圧防水
ストラップ:ラバーコーティングがほどこされたアリゲーター
ムーブメント:手巻 Cal.17RS、毎時28,800振動、42時間パワーリザーブ
仕様:クロノグラフ、回転表示システムの30分積算計・スモールセコンド、日付表示、クロノメーター検査協会(C.O.S.C)認定、シースルーバック(サファイヤクリスタル)
予価:871,500円(税込)
発売時期:2008年12月
タグ・ホイヤーのプレミアムラインとして2007年秋に誕生した「グランドカレラ」。秒針と12時間積算計のインジケーターを回転するディスクで表示するローテイティング インディケーター システムを搭載した「グランドカレラ」専用のクロノグラフムーブメントを開発した。バランスよく配置された左右に対をなす扇型の表示窓が強いインパクトを与え、アヴァンギャルドなデザインが多くのファンを惹きつけている。
そして2008年秋に発売となるのが、こちらの「グランドカレラ クロノグラフ RS2」である。先にリリースされたレギュラーモデルはステンレススチール仕様だが、こちらではグレード2の軽量チタンを採用。さらに表面にブラックIP加工を施して、全体をマットなブラックカラーにまとめ上げた。それとは対照的に、文字盤の中心部をエナメル仕上げで艶やかなブラックに、外周にはレコードパターンを配するなど、<黒>の中にいくつもの異なった質感が存在する、非常に凝った構成である。また、全体をキリッと引き締めている要素が、効果的に挿入されたレッドカラーに違いないだろう。ラバーコーティングをほどこしたアリゲーター製ストラップのステッチにはもちろん、腕に装着しているときにはほんのわずかしか見えない裏側にまで赤色を使用するという、粋な計らいが。
貴金属やダイヤなどラグジュアリーな素材を持ち込まず、あくまでもシーンに適ったスポーツモデルとして極上の質感を追い求めたこのスタイリッシュな新作には、一世紀以上にわたるモータースポーツをバックアップしてきたタグ・ホイヤーの<本気>がかいま見える。