2023 New Model ｜ IWC
2023年アイ・ダブリュー・シー新作　アクアタイマー・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス

【編集顧問田中克幸ピックアップ】

　DCコミックスのヒーローを主人公にした2018年公開の『アクアマン』。その続編となる『アクアマン/失われた王国』が2024年1月12日に公開。本作中で悪役ブラック・マンタが着用するIWCのモデルが「アクアタイマー・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス（AQUATIMER PERPETUAL CALENDAR DIGITAL DATE-MONTH）」だ。当モデルは2013年発表のインヂュニアに採用されたCal.89802を、2019年発表のIWC独自開発素材“セラタニウム®”ケースに搭載したアクアタイマーである。クロノグラフと永久カレンダーを統合し、3時と9時位置に月と日付、さらに6時位置には閏（うるう）年のデジタル表示計を装備。世界限定25本。

AQUATIMER PERPETUAL CALENDAR DIGITAL DATE-MONTH
アクアタイマー・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス
Ref：IW379406
ケース径：49.0mm
ケース厚：19.4mm
ケース素材：セラタニウム®
防水性：10気圧(100m)
ストラップ：ラバーストラップ(ブレスレットクイック交換システム装備)
ムーブメント：自動巻き、Cal.89802(自社製キャリバー)、毎時28,800振動(4Hz)、部品数474個、51石、68時間パワーリザーブ、クロノグラフ、永久カレンダー、フライバック機能、秒針停止機能
仕様：時・分表示、クロノグラフ(12時位置に時・分の同軸積算計)、秒針停止機能付きスモールセコンド、フライバック、大型の2桁デジタル表示(月・日付)と閏年表示を備えるパーペチュアルカレンダー、シースルーバック
限定：世界限定25本
価格：8,387,500円(税込)

Cal.89802＋セラタニウム®ケース＋アクアタイマーという三大要素が統合された「アクアタイマー・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」。Cal.89802の機能特性は時・分の同軸積算計装備のフライバック・クロノグラフ＋デジタル表示式パーペチュアルカレンダーである。まず永久カレンダーの機能は3時と9時位置に各々月と日付窓（各窓の上に“MONTH”と“DATE”と表示）、さらに6時位置には閏（うるう）年を示すデジタル表示窓を設置。月と日付表示窓のサイズは大きく、そのデジタル数字がハニカム構造のサブディスクより透かして見える設計で、これらの位置にクロノグラフ積算計を設置することは不可能。そこでクロノグラフでは12時位置に時・分の同軸積算計を用意した。もっともこの技術は2007年発表の「ダ・ヴィンチクロノグラフ」搭載のCal.89360で完成済みの技術だ。なお6時位置のサブディスクはスモールセコンド。次にセラタニウム®ケースだが、当素材はチタニウムと同等の軽量さと堅牢性、かつセラミックと同等の硬度を持ち、耐傷性機能に優れ肌への刺激も低減するIWC独自開発の特殊合金である。2019年のSIHHでは、当素材を初採用したパイロットウォッチ「パイロット・ウォッチ・ダブルクロノグラフ・トップガン・セラタニウム®」で話題となった。

Cal.89802といえば、時計愛好家の中には2013年のSIHHで発表された「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」搭載ムーブメントとしてご記憶の方も多いのではないだろうか。当モデルはレーシングカーのピストン等に使用されるチタンアルミ（TiAl）ケースで、ダイアルもコックピットを想起させる精悍さが際立ったが、今回はアクアタイマーというハードスペックなダイバーズへの搭載である。現在のIWCコレクションでCal.89802を搭載するのは「インヂュニア」と「アクアタイマー」のふたつのみ。当キャリバーの機能中、12時に設置されたクロノグラフの時・分同軸積算計だが、2007年の「ダ・ヴィンチクロノグラフ」搭載のCal.89360において、香箱の位置をずらすことによって当積算計を設置した経緯がある。自動巻き、毎時28,800振動（4Hz）、部品数474個、51石、68時間パワーリザーブ。

『アクアマン/失われた王国』の悪役ブラック・マンタが着用する「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」のレッドバージョン。マンタを演じるのはヤーヤ・アブドゥル＝マティーン二世。レッドの他にブルーバージョンも用意され、こちらはランデル・パーク演じるスティーブン・シン博士が着用する。映画『アクアマン/失われた王国』（原題『AQUAMAN AND THE LOST KINGDOM』）／監督：ジェームズ・ワン　出演：ジェイソン・モモア、パトリック・ウィルソン、アンバー・ハード　配給：ワーナーブラザース　2024年1月12日全国公開。