2014年3月27日から4月3日の延べ8日間で開催された第42回2014バーゼルワールド(BASELWORLD Watch and Jewellery Show 2014)。
スイス時計産業の95%が参加すると言われ、1500もの出展社が集い、事前登録だけでも70を越える国から約4000人のジャーナリストが取材に訪れるスイス時計展示会の総本山である。現在の展示方式を採用されてから早くも42回目を迎えた本年の注目点は、減速傾向に見られるスイス時計産業の明日への回答だ。
それを端的に知る手掛かりは、やはりなんといっても新作時計。取引総額や出荷本数というデータはあくまでも副次的なもので、新作の存在感こそが明確な明日への答えとなる。
本年の感想は「時計エンスージアストも入門者も一様に惹き付けられる完成時計の台頭」と言える。確かに驚くような新機構や嘆息が出るばかりの豪華さは相変わらず控えめなので、その向きを期待される方には物足りなさが残る展示会だったかもしれない。しかし、当展示会で発表される新作の傾向は、長年に取材経験からすると間違いなく時代を映し出す鏡である。
「時計エンスージアストも入門者も」惹き付ける新作にはどのような共通キイワードがあるのか? このキイワードこそが“時代を映し出す鏡”でもあるので以下に簡潔に述べたい。
(1)シンプル3針 (2)オリジナルへの忠実復刻 (3)オールブラック (4)NATO軍用ストラップ (5)ヴィンテージ加工の蛍光インデックス
バーゼル会場を席巻するような怒濤のモデル・・・という派手さはないが、時代は“買って安心、持って自信”の間違いのない普遍的モデルを望んでいると判断する。これが現在のスイス時計であり、明日を占う回答でもあるのだ。
なお、来年2015年のバーゼルワールドは、3月19日から26日の8日間にかけてメッセ・バーゼルで開催される。
取材・文:田中克幸、名畑政治、篠田哲生
Report&Text:Katsuyuki Tanaka、Masaharu Nabata、Tetsuo Shinoda
写真:高橋和幸(PACO)、堀内僚太郎
Photos:Kazuyuki Takahashi(PACO)、Ryotaro Horiuchi
Gressiveスイス取材チーム 田中克幸
Gressiveスイス取材チーム 名畑政治
Gressiveスイス取材チーム 篠田哲生
BASEL WORLD(バーゼル・ワールド)2014 詳細
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