2024 New Model ｜ HUBLOT
2024年ウブロ新作　ビッグ・バンウニコグリーン SAXEM

【編集顧問田中克幸ピックアップ】

　2020年発表の新素材“SAXEM”をケースに採用した「ビッグ・バンウニコグリーン SAXEM（BIG BANG UNICO GREEN SAXEM）」。前作の2023年モデルのイエローネオンSAXEMとは異なり、デビューカラーのエメラルドグリーンを再び身に纏っての登場だ。サファイアの基本成分である酸化アルミニウムに、ツリウムやホルミウムなどの希土類元素とクロムを融合したSAXEMは、サファイアとは同族ながら光を受けることなく独自の明るい発色光を生み出す特性を持つ。2010年発表の初代ムーブメント“UNICO”のCal.HUB1242を再設計したCal.HUB1280の“UNICO”搭載。SAXEMもまたウブロのエッセンスである“first”、“unique”、“different”を体現するモデルだ。

BIG BANG UNICO GREEN SAXEM
ビッグ・バンウニコグリーン SAXEM
Ref：441.JG.4990.RT
ケースサイズ：42mm
ケース厚：14.5mm
ケース素材：グリーンSAXEM
防水性：10気圧(100m)
ストラップ：グリーンスケルトン
ムーブメント：マニュファクチュール自動巻きクロノグラフ(自社開発・製造“UNICO”) Cal.HUB1280、約72時間パワーリザーブ、毎時28,800振動(4Hz)、部品数354個、43石
仕様：時・分・秒・日付表示、フライバッククロノグラフ
限定：世界限定100本
価格：16,577,000円(税込)

約2年を要したSAXEMの研究が華開いたのが2020年の「ビッグ・バン MP-11 14デイパワーリザーブグリーンSAXEM」と、「スピリットオブビッグ・バングリーンSAXEM」でのエメラルドグリーンである。さらに2023年にはイエローネオンの発色に成功した「ビッグ・バントゥールビヨンオートマティックイエローネオン SAXEM」も登場した。最初にウブロの最高技術の発露である「ビッグ・バン MP-11」で発表した点にウブロの戦略が伺える。SAXEMはサファイアクリスタルと同等の硬度を持ちながら、より輝度の優れた異なる輝きを持つ特性が特徴。当素材の開発は、透明度を追求した2016年発表のオールサファイアクリスタルケース「ビッグ・バンウニコサファイア」に始まる一連のサファイアクリスタルケースの研究開発（R&D＝Research & Development）があってこその賜物だろう。さらに言えば、これらの成果は2015年9月に落成したウブロの第2工場「H2（アッシュ・ドゥ）」の存在抜きには語れない。

イエローネオンSAXEMを採用した2023年の「ビッグ・バントゥールビヨンオートマティックイエローネオン SAXEM」では、マイクロローター採用の自動巻きトゥールビヨン・ムーブメントのCal.HUB6035を搭載し、今回のモデルでは2018年に発表されたマニュファクチュール・ムーブメント“UNICO”Cal.HUB1280を採用している。このHUB1280の“UNICO”はその名称のとおり、約4年間の開発期間を経て2010年に発表された初代ムーブメント、“UNICO”のCal.HUB1242を再設計し開発されたクロノグラフムーブメントである。Cal.HUB1242は2013年に発表されたケース径45mmの「ビッグ・バンウニコ 45mm」、HUB1280は2018年発表の「ビッグ・バンウニコ 42mm」に各々搭載された履歴を持つ。ムーブメント径は両機ともに30mmだが、厚さではCal.HUB1242の8.05mmがCal.HUB1280では6.75mmへと約1.3mmもスリム化した。逆に総部品数は330個から354個、石数は38個から43個へと増えている。両機ともダブルクラッチ機構でコラムホイールをダイアル側に設置している点は同じ。コラムホイールをダイアル面で披露するのは、そもそも“UNICO”（Cal.HUB1242）の開発目的のひとつだった（参考資料：『webChronos』2020年7月28日公開記事）。