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2024 New Model | HUBLOT
2024年 ウブロ新作 MP-10 トゥールビヨン ウエイト エナジー システム チタニウム

【編集顧問 田中克幸 ピックアップ】

 時計製造における創造性を追求するウブロのMPコレクション。その2024年モデルが「MP-10 トゥールビヨン ウエイト エナジー システム チタニウム(MP-10 TOURBILLON WEIGHT ENERGY SYSTEM TITANIUM)」だ。最大の特徴は透明サファイアクリスタルを用いた流線形デザイン、ダイアルを廃したシリンダー式時刻表示と、秒表示を兼ねた傾斜型トゥールビヨン、さらにローターの代わりに2本の垂直型ウエイトで両方向巻き上げを行う特許申請中のムーブメント、Cal.HUB9013である。まさに“形状と物質のフュージョン”を謳うにふさわしい完成度で、ムーブメントのみならずケース等の素材でも自社工場を保有する実力が十分に発揮されている。


MP-10 トゥールビヨン ウエイト エナジー システム チタニウム

MP-10 TOURBILLON WEIGHT ENERGY SYSTEM TITANIUM
MP-10 トゥールビヨン ウエイト エナジー システム チタニウム
Ref:910.NX.0001.RX
ケースサイズ:54.1×41.5mm
ケース厚:22.4mm
ケース素材:チタニウム/サファイアクリスタル
防水性:3気圧(30m)
ストラップ:ブラックラバー
ムーブメント:自動巻きパワーリザーブ、スケルトントゥールビヨンCal.HUB9013、約48時間パワーリザーブ、毎時21,600振動(3Hz)、部品数592個、66石
仕様:時・分・秒表示、トゥールビヨン、パワーリザーブ表示
限定:世界限定50本
価格:37,675,000円(税込)




ウブロは2021年発表の「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ マジックゴールド」で、サファイアクリスタル製の風防の下部を大きく湾曲させた実績を持つが、今回の滑らかな曲線はそれ以上の完成度。特にケース周囲の丸味を帯びた形状は滑らかで硬い印象がほとんど無い。このサファイアクリスタルの製造は、3軸の傾斜面を組み合わせた点でもウブロ史上最も複雑なものとなった。時計製造の極点を目指すMPコレクションについて記すと、プレスリリースによればMPコレクションの“MP”とは“Manufacture Piece(マニュファクチュールピース)”と記されている。MPコレクション第1号モデルの正式な発表年は調査不足で不明だが、手元の資料によれば2009年の二ヨン本社マニュファクチュール「H1(アッシュ・アン)」完成2年後の2011年に発表された「MP-01 フライバック・クロノグラフ」と、世界限定50本の「MP-02 キー・オブ・タイム」辺りではないかと思われる。その前年の2010年には自社開発・製造ムーブメント「ウニコ(UNICO)」と新素材“18Kキングゴールド”が発表されているし、2011年には“18Kマジックゴールド”も発表された。現在のウブロの大躍進の起爆点の第1章は2005年の「ビッグ・バン」発表、第2章は2009年のマニュファクチュール完成、さらに2011年の「18Kマジックゴールド」(EPFL=Swiss Federal Institute of Technology in Lausanne/スイス連邦工科大学ローザンヌ校との共同開発)発表の頃であろう。


通常の時計では複数の針で時刻を指針する方式を採用するが、当モデルではそのようなダイアルを廃し、代わりに複数のシリンダーで時刻とパワーリザーブ等を表示するムーブメントをそのまま露呈している点が特徴のひとつ。“HOURS”と表示された最上階から下部へ“時”、“分”と続き、写真ではグリーン色のシリンダーがパワーリザーブ表示計になる(エネルギー残存量が少なくなるとレッドへと変化)。さらに写真左下に一部見えるのが、秒表示計を兼務する35°傾斜角に設置されたトゥールビヨンだ。つまり当モデルは時刻を上から下へと流れるように縦方向に視認できる設計で、視線が乱れることはなく時刻の読み取りが容易な設計になっている。表示計はブラックのアルミニウム製ローターにホワイトラッカーでタイポグラフィされ、さらにサファイアクリスタル製ブレードが貼付される。写真では向かってケース右側に見える垂直構造のパーツは、自動巻きのローターの代わりとなる2本の垂直型ウエイトのひとつとショックアブソーバー・システム。通常のムーブメントは香箱や歯車等を2次元(平面)で積み重ねる積層構造体になるが、当モデルではケース内にパーツを縦に並べる方式を採用している。垂直型機構のモデルでは、2002年のSIHHで構想を発表し2004年に完成したパルミジャーニ・フルリエの「モントレ ブガッティ Type 370」が記憶に残る。一方ウブロでは2013年発表の「MP-05 ラ・フェラーリ」で、ダイアル右側と左側に各々シリンダー式の時分表示計とパワーリザーブ表示計を装備、さらに11個もの香箱(ゼンマイの総延長77mm)を垂直装備し、世界初の約50日間という超ロング・パワーリザーブ機能を実現している。今回のモデルではこの時の技術が生かされているのだろうか?


ケースバックから見たCal.HUB9013。中心よりやや下には時刻調整用のリューズを設置(巻き上げは12時位置のリューズを使用。ただしケースバックからは見えない)。ケース左右に見える垂直構造の2本のウエイトが、通常の自動巻き腕時計のローターの代わりとなるシステム。ウエイトの上下運動が巻き上げ運動となり香箱にエネルギーを蓄積する。この方式で思い出されるのが、2004年のバーゼルワールドで発表されたタグ・ホイヤーの「モナコ V4 コンセプトウォッチ」だ。当機ではセンターに上下運動する垂直型流線振動錐を設置し、ベルト駆動式トランスミッションでケース四隅の4つの香箱にエネルギーを蓄積した。今回の「MP-10 トゥールビヨン ウエイト エナジー システム チタニウム」では、ホワイトゴールドの垂直ウエイトブロックがケース左右にふたつ用意された点や、上下運動によるバンクとの衝突防止にショックアブゾーバーを開発している。ふたつのウエイトはラックと噛み合い、ムーブメントを両方向に巻き上げる。この機構はウブロが独自に開発した機構で特許申請中とのこと。実際に着用すると、回転ローターとは異なり垂直型ウエイトがもたらす上下運動の衝撃は相当なものだ(タグ・ホイヤーのコンセプトモデルでは、大げさに言えば「カツン、カツン」という当たった感じがした)。このショックを低減しつつも機械に悪影響を与えず、しかも高い精度を維持しおよそ48時間以上のパワーリザーブを実現したことに驚く。今回の驚異的な時計の価格が税込で約3640万円というのも、世界の時計愛好家にとってはお値打ちではないだろうか。


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