2009年のSIHHは老舗の各ウォッチメーカーが、自社の古典に学んだクラシカルなモデルを出してきた。その中でも、オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)は「ジュール・オーデマ クロノグラフ」に代表されるような、古典とコンテンポラリーな要素とを融合させたモデルにセンスが光った。また、同社が掲げた2009年の新作のテーマは、スケルトン仕様により可視化されたコンプリケーション。ムーブメントの設計、彫金、組み立て、すべての工程に高い水準を求めた「ジュール・オーデマ AP エスケープメント」は、まさに今年のコンセプトを象徴するモデルだ。2006年に同社が開発した、優れた耐衝撃性を誇る<オーデマ ピゲ脱進機>を搭載し、毎時4万3200回振動するハイビートモデルに仕上げて高精度の限界に挑んでいる。
 このほか、洒脱な紳士を思わせる「ロイヤル オーク タキシード」コレクションの発表や、「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」シリーズからはフォージドカーボン素材の超軽量ケースを採用したモデル、さらに日本人のアンバサダーが起用されるなど、話題の多い年となった。
    
        
      
      Tradition Collection 
        モデル名:エクストラ フラット "トラディション"
        Ref:15160PT.OO.A092CR.01
        ケース径:43mm
        
        ケース素材:プラチナ
        防水性:20m
        ストラップ:クロコダイル
        ムーブメント:自動巻 自社製Cal.2120、毎時19,800振動、40時間パワーリザーブ
        仕様:世界限定20本
        予価:5,250,000円(税込)
        発売予定:2009年 秋
        
        ※クリックすると詳細をご覧になれます
     
	     1920年代に製造されたオーデマ ピゲが誇る秀逸な懐中時計をモチーフに製作した“トラディション”コレクション。クッション型ケースの永久カレンダーモデル、ミニッツリピーターモデル(ともに2008年発表)に続き、2009年は2針モデルが登場。同ブランドが誇る、厚さわずか2.45mmという極薄の自動巻ムーブメント(Cal.2120)を搭載して、超スリムなケースシルエットを実現した。ミニマムな機能に徹したことで、カテドラル―大聖堂を意味する―と呼ばれるクラシカルな針や、立体的な植字インデックス、ヘアライン仕上げを施したケースの仕上げの美しさなどが、いっそう強調される。