
昨年日本に本格上陸した、H.モーザー。その鍵を握るランゲ氏と、ディストリビューターとしてH.モーザーを日本で展開するM&R サロン ド モントレ銀座店の岩瀬氏の2人が、H.モーザーの新たなる時計の世界を語る。
                
               

岩瀬氏(以下I)「今年のH.モーザーの特徴を教えていただけますか?」
              
ランゲ氏(以下L)「H.モーザーが新技術を発表するのは実は2年ごとで、今年は新しいモデルや機構を出すのではなく、既存モデルの新しい文字盤やダイヤをあしらったものなどを出しています。」
            
            
              I「その2年という期間に、何か狙いや理由はあるのでしょうか?」
             
              
              L「まず1つは、我々の方でも毎年新しいものを出すのではなくじっくりと研究時間を設けたいということ。そして、現在各国から商品の注文が入っている状況で、その納期を遅らせないためです。」
              
              
              I「そうした時計づくりのスタンスは、非常に共感できる部分です。エンドユーザーの立場に立ったものづくりでありマーケティングが行われているということですね」
              
            
            L「そういった観点から、今年は文字盤やケースのバリエーションの違うものを発表したのですが、このパラジウムケースのマユを見て下さい。既存のプラチナケースとの違いを感じませんか?」
            
            I「確かに、プラチナよりやや優しい雰囲気のケースですね。」
            
L「その通りです。ですから、このパラジウムケースを作るにあたり、それまでプラチナケースにはまっていた文字盤の色ではこのパラジウムの色と合わないので、このグラデーション、<スモーキー>とも呼ばれていますが、このカラーリングに変えたのです。また、このケースのみ<ダブルヘアスプリング>を搭載しています。」
            
            
              I「<ダブルヘアスプリング>は、今までスクエアケースの<ヘンリー>のみに搭載だったのではないですか?」
              
              
              
              L「ええ、実はこれからはダブルスプリングの機構をラウンドケースの時計に搭載していくことを踏まえて、まずパラジウムケースマユに搭載したのです。サイズも昨今の流行に乗ることなくやや小ぶりなサイズで、アジア向きとも言えます。また、デザインは非常にエレガントでシンプルですが、シースルーバックの裏蓋を見ていただくと、複雑な機構であることが分かると思います。」
              
マユ
            
            新しいけど懐かしいテイストが、グラデーションのダイヤルににじみ出ています。パラジウムケースのみに、ダブルヘアスプリングが搭載されています。同時に、今まで他のモデルには、アンクルとガンギ車にイエローゴールドを用いていましたが、これにはホワイトゴールドを使っています。
            		    ※2008年末入荷予定