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Women's Discussion女性目線で考える“時計店の未来像” 01

女性にとっての“時計”とは?

――男性にとって、時計は自分のスタイルを表す“名刺”であり、“ステイタスシンボル”でもある。そのためどうしてもウンチク重視に走りがちである。


古市:男性って時計に対しては、かなり保守的な考え方を持っていますよね。機械式時計じゃないとダメとか、マニュファクチュールが最高だとか。もちろんそれを否定する気はありませんが、女性にとっての時計は、バッグや靴、アクセサリーと同等の「たくさんの良いもの」のひとつ。それに年齢によってファッションも変わりますから、“一生モノ”としては選びにくいかもしれません。


金原:私たちの店舗(HF-AGE)は、ほとんどが女性スタッフですが、メンズモデルをつけている人も多い。考え方が柔軟ですよね。


中島:デザインやサイズさえ気に入れば、メンズもレディスも着けられるというのは、女性ならではの強みじゃないでしょうか。


飯間:「この機械が好き!」ではなく、自分に似合っていることを大切にしていますから、ファッション目線で選んでいる人が多いですね。


服部:ブランドの世界観を重視する人も多いですね。でも、男性パートナーと一緒に来店されると、相手に好みを押し付けられることもあるようです(笑)。それこそ、 クオーツはダメとか。


古市:それは残念ですよね。女性にとって時計は“アクセサリー”ですから、何個でも欲しいし、コーディネートによっては着けない場合だってある。その場合、機械式時計は止まってしまうので、クオーツ式の方が便利な場合もありますから、柔軟に選びたいですよね。

中野:我々「スイス時計協会」のリサーチによると、高級時計を購入する女性の比率は、年々上昇しています。キャリア志向の女性たちが増え、高級時計を手にするようになっているのだと思います。皆さんの時計店ではどうですか?


服部:確かにカミネへの来店は増えていますね。


飯間:今まで、自分へのご褒美としてジュエリーを購入していた層が、時計にも注目するようになっているのかもしれません。


中島:当店(ブライトリング ブティック東京)の場合は、ブライトリングファンが多くて、二本、三本と購入する人が少なくなくありません。女性のお客様にも、そういう嗜好の方が増えてきましたね。


金原:女性でもメンズウォッチを着けますし、41mmケースくらいまでなら、許容範囲だと思いますよ。


古市:ピンクゴールドケースのモデルが増えたのも、女性が時計に目を向けるきっかけになったかもれませんね。肌馴染みのいい色なので、華やかだけど使いやすい。女性向けの素材だと思います。




後援:スイス時計協会FH
構成・文:篠田哲生 / Composition&Text:Tetsuo Shinoda
写真:高橋和幸(PACO) / Photos:Kazuyuki Takahashi(PACO)


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