VACHERON CONSTANTIN丁寧な時計作りに現れるジュネーブ時計文化の庇護者としての矜持 01
#1 美しさの根底を支えるコンポーネントとデコレーション

名だたる名門ブランドが拠点を構えるプラン・レ・ワット(プラン=レ=ズゥアト)。その中でもヴァシュロン・コンスタンタンのマニュファクチュールは、モダンさと美しさ群を抜いた存在だ。
優れたムーブメントとは、高精度であること。それは当然だが、時計愛好家としては美しいことも重視したい。そのためヴァシュロン・コンスタンタンでは、徹底的にデコレーションにこだわる。
その始まりはパーツの製造から。パーツに用いられる素材は、真鍮や銅、スティール、ジャーマンシルバーなどで、これらは工作機械を使ってカットする。工房内には古い機械も散見するが、その理由を聞くと「最新の工作機械はプログラミング調整するのに時間がかかります。その点こういった1960年代の工作機械は、手ですばやく調整できるので、こちらを好む職人も多いのですよ」と、案内するユベール氏(トレーニング担当)が教えてくれた。
さらに別の部屋では、完成したパーツに仕上げを施している。その代表が、パーツの表裏に取り入れることが多いペルラージュ仕上げだ。これは回転するやすりをパーツに押し当てることで円形の模様をつける工程で、小さな傷をとって表面を平滑にするのが本来の目的。しかし審美性も重要なので、きちんと模様のための設計図がある。小さなパーツにミクロン単位で正確に仕上げを施すのは相当難しいだろう。
特にヴァシュロン・コンスタンタンでは、ほとんどの機械式時計で「ジュネーブ・シール」を取得している。これは1886年にジュネーブ共和国及びジュネーブ州により導入された高級時計の品質認証で、ジュネーブの伝統的な時計製造技術を継承しているという証明であり、高品質のクラフトマンシップや信頼性を語るものである。そのため細かい規約があり、すべてのパーツの加工痕をすべて消すことが義務付けられている。
「例えばパーツの角は45度で面取りしてポリッシュ仕上げをし、サイドにはサテン仕上げを施します。小さなパーツであっても面によって仕上げを変えることで、メリハリと深みが生まれる。ヴァシュロン・コンスタンタンの審美性は、まずここから生まれるのです」。ユベール氏も誇らしげだ。
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ヴァシュロン・コンスタンタン
TEL: 0120-63-1755
(月曜日から金曜日 午前11時~午後7時)
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