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Swiss Watch Confidential Vol.23  「驚き」の新作ラッシュ

「驚き」の新作ラッシュ

  W&Wが人々に提供するある種の「驚き」は、時計を見慣れた取材者の目にも新鮮に映った。香港で初披露するために用意されていた最新作をはじめ、この機会でしかお目にかかれない特別モデル、あるいは、来年のSIHHを予想させるような時計に出合えたからだ。W&Wは、ジュネーブSIHHにおける1年毎の新作発表の間をつなぐ、アップデート・バージョンとも位置づけられるだろう。1月のSIHHでは、いくつかのブランドから「今年の新作はジュネーブで終わりではなく、9月の香港での発表を予定している。ただしそれまでは極秘」と聞いていたが、ここでそれを目の当たりにしたのだった。


  完全な意味で新作コレクションを初披露したブランドといえば、その代表はジャガー・ルクルトである。今後の基幹コレクションとしてゼロから開発したという「ジオフィジック」だ。秒針が1秒毎にジャンプするまったく新しい機械式ムーブメントを搭載する「ジオフィジック・トゥルーセコンド」と「ジオフィジック・ユニバーサルタイム」は、会場でも話題になっていた。このほかマニュファクチュールの実力を語る新型ムーブメントの開発では、パネライやピアジェにも見逃せない新作があった。


  カルティエの創作力が遺憾なく発揮された驚くべき新作は、今年のSIHHで発表されたばかりの「クレ ドゥ カルティエ」が「ミステリアスアワー」と融合して進化を遂げた、その名も「クレ ドゥ カルティエ ミステリアスアワー」だ。これは、「クレ」の次なるステップを間違いなく予感させるモデルである。また、豪華絢爛なハイジュエリー モデルや、超複雑機構モデルが3本セットになったコレクター向けの「ロトンド ドゥ カルティエ」の限定ウォッチボックスなど、質、量ともに際立ったラインナップを展開するカルティエのブースはとにかく圧巻だった。


「ヴィルレ」や「ヘリテイジ」シリーズに計8本の新作を用意し、SIHH発表モデルのブラッシュアップを図ったのはモンブラン。このところ、マニュファクチュールとして実力を高め、技術的に高度な時計を年々充実させてきモンブランたが、W&Wで発表された驚異の複雑時計「ヴィルレ トゥールビヨン シンドリック ナイトスカイ ジオスフェール」はそれを象徴するモデルだった。



構成・文:菅原 茂 / Composition&Text:Shigeru Sugawara


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