2019年にデビューした「2100」シリーズが、早くもG-SHOCKの最高峰MR-Gとなって登場した。
話題の新作「MRG-B2100B」の魅力はどこにあるのか?
G-SHOCKコンセプトショップ「EDGE」のオーナーたちが、「デザイン」「素材と仕上げ」「機能性」という三つのテーマでトークセッションを行った。
その第一回のトークテーマは「デザイン」。小林時計店の小林康弘社長とISHIDAの石田充孝社長にご登場いただいた。
「MRG-B2100B」のルーツは、2019年にデビューした「2100」シリーズにある。そのデザインを語る上で、避けて通れないのが八角形のベゼルデザインだ。高級時計における定番のデザインの亜種ではないかと見ることもできるが、それは事実ではない。
このケース形状は、1983年にデビューした初代G-SHOCK「DW-5000」のケースデザインをベースにしつつ、アナログ表示にすること、すなわち針が回転するためのスペースを確保するためにケースを上下に伸長させるという、理論的かつ歴史に基づいたデザインである。
株式会社小林時計店 代表取締役 / 小林康弘(以下、小林):G-SHOCK好きから見れば2100シリーズは、初代モデルであるDW-5000を“正常進化” させたデザインであることが良くわかります。若手デザイナーを起用したと聞いていますし、新しい世代のG-SHOCKとして違和感はありません。大人のユーザーにとっては、既存のG-SHOCKは少々大きくて厚い。その点2100は、サイズ感も含めてバランスが良い。そういった点も含めて、初代DW-5000の正常進化として納得できます。
株式会社ベスト販売 代表取締役 / 石田充孝(以下、石田):しかし初代モデルの進化版として2100が誕生するまでに、ずいぶん時間がかかりましたよね。1983年のDW-5000がデビューし、1989年にはアナログの初代モデル「AW-500」もデビューしました。すでにそういった先達があるのですから、正常進化となる2100のようなモデルがもっと早く出ても不思議ではなかった。それが2019年までかかったというのは、さまざまな試行錯誤があったからでしょう。そういった苦労から生まれたこのデザインは、私も好きです。シンプルにかっこいい時計ですよね。そんな2100シリーズが、早くもMR-G「MRG-B2100B」となったのは大きなニュースです。
小林:しかもデジタル表示がないシンプルなアナログウォッチですからね。以前は「G-SHOCK=デジタル」という先入観がもっと強かった。しかし最近は、“価格もこなれた良い時計”として、アナログのG-SHOCKを手にされるお客様が増えているように思えます。そういうマーケットが育っているのかもしれませんね。
石田:大きな分岐点になったのは、2020年に発売されたアナログ式のフロッグマン「GWF-A1000-1AJF」だったのかもしれません。あのモデルが出た時に、フロッグマンはデジタルじゃないと認めないという声もある一方で、アナログ化を支持する声もあった。まさにファンを二分する論争になりましたが、それくらいアナログのG-SHOCKに対する熱気があったともいえる。
小林:そういう点でも2100は、アナログウォッチに触れるきっかけとして、そして新しいG-SHOCKファンをつくるキーモデルになりましたね。
石田:MR-Gには「G-SHOCKの最高峰」というイメージがあり、それに見合った素材へのこだわりがあって、日本の伝統技術もうまく取り入れている。ですから「MRG-B2100B」のデビューは、素直に歓迎できます。
小林:G-SHOCK×ラグジュアリーと考えると、やはりアナログウォッチは必須でしょう。また数あるアナログモデルの中で、上品さや大人っぽさを考えると、2100シリーズをMR-G化することはニーズにあっている。もちろん我々がこのモデルを販売するにあたっては、製品のビジュアルだけじゃなく付加価値も含めて魅力をどう伝えていくか重要になる。だからまずはMRG-B2100Bに触れて欲しい。とにかく磨きが違いますから。ブレスレットも磨きや加工のおかげなのか、すごくしっかりしている。駒のクリアランスも良くて、着用感も優れています。
石田:このベゼルのエッジの立ち方やケースの凹凸の磨き込みなどは、スイス時計と比べても遜色はないでしょう。さらには日本の伝統技術である「木組」から着想を得たダイヤル装飾も美しい。G-SHOCKらしい凹凸をつくりつつも、隅々まで磨くためにケースを27のパーツに分けている。その作り込みには驚きしかない。
小林:うちのお店(小林時計店)は北九州にあるのですが、ここは金属加工業の街なので素材へのこだわりに対する理解が深い。「えっ、ベゼルにコバリオンを使っているの?」なんて話になるくらいですから(笑)。MRG-B2100Bは所有欲を満たしてくれる時計ですし、こういう付加価値も伝えていきたいですね。
石田:オリジナルの2100はデジアナ表示ですが、MRG-B2100Bはアナログ表示。これによって印象は、ガラッと変わりましたよね。このシンプルさには好感をもっていて、アナログウォッチらしいデザインにきっちり焦点を合わせている。先ほどカシオの方に伺ったところ、「シンプルな三針モデルが欲しい」というユーザーからの声が多かったそうで、今回のMR-G化にあたってデジタル表示を外し、徹底的にシンプルにすることを決めたそうです。木組のダイヤルも、このシンプルな機構だからこそ効果がありますよね。
小林:もはや普通の“いい時計”ですし、さらに耐衝撃性能もある。高級時計にはダイヤルに凝ったモデルが増えていますが、MRG-B2100Bもそういったところに意識が向いている。それでいて光発電のタフ・ソーラーでもあるし、ダイヤルは光の当たる角度によって印象も変わる。そこも面白いところですね。こういう文脈で語れること自体がこれまでのG-SHOCKとは違いますし、少しとがったアナログウォッチを求めている人におすすめしたい。
石田:もはやG-SHOCKというブランドとは関係なくカッコいいと時計だと思うし、この時計を選ぶ人もG-SHOCKという先入観には捕らわれていないでしょう。だからスイス時計を探している人におすすめしても面白いかもしれません。
小林:同感です。G-SHOCK目当てではないお客様にこそ、知ってもらいたい時計です。
初代モデルをモダンに進化させたアナログウォッチ「2100」シリーズは、G-SHOCKの歴史を継承するデザインをもった正統派である。その最高峰である「MRG-B2100B」は、もはやG-SHOCKという枠を超えた、ラグジュアリーなアナログスポーツウォッチとしての格をもっているのだ。
MRG-B2100 Series
MRG-B2100B-1AJR
ケースサイズ:49.5×44.4mm
ケース厚:13.6mm
ケース素材:チタン/コバリオン
ストラップ:メタルバンド(チタンムクバンド)、スライドアジャスト機構付きワンプッシュ三つ折れ式中留
防水性:20気圧
使用電源:タフソーラー(ソーラー充電システム)、パワーセービング状態の場合:約18ヵ月
仕様:時・分・秒・日付・曜日表示、モバイルリンク機能(対応携帯電話とのBluetooth通信による機能連動)、アプリ「CASIO WATCHES」対応、フルオートカレンダー、自動時刻修正、簡単時計設定
タイム&プレイス、時計ステータス表示、セルフチェック、携帯電話探索、スマートフォンと接続し時刻を自動修正、電波時計(日本・北米・ヨーロッパ・中国地域対応 MULTIBAND6)、時刻修正、電波受信機能:自動受信(最大6回/日)
価格:649,000円(税込)
株式会社小林時計店 代表取締役 / 小林康弘
株式会社ベスト販売 代表取締役 / 石田充孝
取材・文 / text:篠田 哲生 / Tetsuo Shinoda
写真 / Photos:江藤 義典 / Yoshinori Eto
G-SHOCKコンセプトショップEDGEで『G-SHOCK FAIR』を実施いたします。
2024年の春夏の新作を中心に、G-SHOCK最上級ライン「MR-G」シリーズの最新作「MRG-B2100B」や メタルと樹脂を融合させた「MT-G」シリーズ、G-SHOCKの原点であるDW-5000をベースにフルメタル化された「GMW-B5000」、初号機のDNAを受け継ぐ2100シリーズのフルメタルモデル「GM-B2100」など多数取り揃えました。
是非この機会に店頭でご覧下さい。
今回行われたG-SHOCK「MRG-B2100B」トークセッションの会場となったのは、世界遺産「西本願寺」の門前町のエリアにありますデュシタニ京都。京の町並に溶け込んだこの地で、日本の繊細な伝統文化とデュシタニの祖国タイの優雅なホスピタリティが織り交ざった最高のおもてなしが堪能できる。
古都の静寂に佇む「シェフズテーブル 紅葉Kōyō」は、デュシタニ京都にある関西の豊かな自然が育んだ、選りすぐりの旬の食材を、二十四節気の移ろいに合わせてご堪能いただけるダイニング。日本の美しい四季、とりわけ秋の紅葉をイメージした特別な空間へのフロントには、G-SHOCK「MRG-B2100B」のダイアルを思わせる木組格子が用いられています。
「シェフズテーブル 紅葉Kōyō」では、7月1日から8月31日までの期間限定で、神戸牛と旬の食材を贅沢に使った夏の特別メニューを提供。生産者の想いが詰まった逸品を、ワインやお茶とのペアリングと共にお楽しみください。落ち着いた空間で、至福のひとときをどうぞ。
イベント詳細はこちらデュシタニ京都 | Dusit Thani Kyoto
〒600-8327 京都府京都市下京区西洞院通正面上ル西洞院町466
TEL:075-343-7150
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