メインコンテンツに移動
時を巡る旅 /sites/default/files/staticContentThumbnail/tobira.jpg _self 26 808

2023 New Model2023年 新作情報

時を巡る旅 2023
2023年 新作情報

新型コロナ禍を超えて
力強く立ち上がった時計界の現況

 およそ3年にもおよぶ世界的な新型コロナ感染症の影響がほぼ払拭され、スイスでも春の到来を告げるかのように世界的な時計見本市「Watches and Wonders Geneva 2023(ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2023)」が3月27日から4月2日に開催されました。


 このイベントには48もの主要時計ブランドが出展し、盛況のうちに幕を閉じましたが、この3年の間にさまざまな環境が大きく変貌し、かつてとまったく同じとは到底、言えない状況となっています。


 そのひとつが世界的なインフレーション。航空料金はもちろん、宿泊費も高騰し、以前のように気軽にスイス取材を行える状況ではなくなりました。実際、我々グレッシブにおいても、スタッフを絞っての取材となりました。


 また、新型コロナの流行によって時計の新作発表の時期や形態が大きく様変わりしました。つまり、以前のように春の見本市に合わせて無理矢理にでも新作開発を完了させねばならない、という縛りがなくなり、年間を通してそのモデルにもっともふさわしく、出荷体制が整った段階で発表するというスタイルが、かなり一般化したことです。


 また、ウェブを通しての発表会も増えましたが、これに関してはリアルな発表会に比べると、いまひとつ現物の感触がつかみにくく、場合によってはネット接続の不具合が生じたり、リアルタイムの翻訳によるもどかしさなどの諸問題が露見。以前ほどの頻度では開催されなくなっています。


 また、ウェブ発表会の物足りなさと新作発表の時期が随時となったことで、日本においても少し待っていれば新作の実機が届き、それを手に取りながらリアルでの説明が受けられるようになってきたので、スイスの時計見本市への参加の必然性が低下しています。


 そんな状況を踏まえつつ、これからもグレッシブでは新作ウォッチの紹介を現地取材による動画を軸として、随時、進めていきたいと考えています。


文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata

2023年発表ブランド新作モデル一覧


Watches and Wonders Geneva 2023 新作ニュース一覧


Gressive取材スタッフ紹介

  • 名畑 政治

    名畑 政治
    Masaharu Nabata


    Gressive編集長。1959年、東京都生まれ。時計、カメラ、ギター、ファッションなど膨大な収集品をベースに、その世界を探求。1994年から毎年、スイス時計フェア取材を継続中。

  • 田中 克幸

    田中 克幸
    Katsuyuki Tanaka


    Gressive編集顧問。1960年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後、徳間書店に就職。文芸部を経て1988年「グッズプレス」創刊に携わり、後に編集長に就任。この間、1993年に同社で「世界の本格腕時計大全(後の『TIME SCENE』)を創刊し、2009年まで編集長を務める。同年より「Gressive」に参加。1994年よりスイスを中心としたヨーロッパ各国を取材、現在も継続中。

  • 篠田 哲生

    篠田 哲生
    Tetsuo Shinoda


    1975年、千葉県生まれ。40を超える媒体で時計記事を担当しており、10数年ものスイス取材歴を重ねてきたが、この業界では今でも“若手”というちょうどよい湯加減のポジションをキープ。快適な出張にこだわり続け、スイスに小型炊飯器を持ち込み、朝から飯を炊くという業界屈指の実践派。

  • 竹石 祐三

    竹石 祐三
    Yuzo Takeishi


    1973年、千葉県生まれ。1998年よりモノ情報誌編集部に在籍し、2011年から時計記事を担当。2017年に出版社を退社し、Gressiveの記事制作に携わる。

  • 堀内 僚太郎

    堀内 僚太郎
    Ryotaro Horiuchi


    フォトグラファー。1969年、東京都生まれ。1997年に独立。広告、ファッション、CDジャケットやポートレイト等で活動。2006年からスイス時計フェアの撮影を続け、2009年からGressiveに参加。2018年にH2Fotoを立ち上げ写真講師としても活動。

  • 江藤 義典

    江藤 義典
    Yoshinori Eto


    フォトグラファー。1981年、宮崎県生まれ。2001年に上京。2006年、知人の紹介でカメラマンの個人スタジオのアシスタントに。スタジオ勤務を通し写真撮影とデジタル・フォト加工技術を習得。2013年に独立し、自らのスタジオを開設。Gressiveをはじめ、メンズ誌、モノ情報誌、広告等で活動。スイス時計フェアは2015年から撮影を継続。


Gressiveのinstagram公式LINEアカウントTwitter、FACEBOOK、メルマガでは腕時計の最新情報やコンテンツの更新情報をお届けしています。2023年のWatches & Wonders(ウォッチズ&ワンダーズ / 旧SIHH)、WPHH(World Presentation of Haute Horlogerie)、HOURUNIVERSE(アワーユニバース / 旧バーゼル・ワールド)、LVMH WATCH WEEK(LVMH ウォッチ ウィーク)レポートの更新情報もこちらからお届けしています。
この機会にぜひ、instagram公式LINEアカウントTwitterのフォロー、最新情報メルマガにご登録ください。






    0 staticcontent
    519 /sites/default/files/staticContentThumbnail/226_pp.jpg https://yoshida.gressive.jp/special/patek-philippe/226/?gressive _self 10


      0 staticcontent
      ブランドニュース クレドール(CREDOR) /sites/default/files/newsThumbnail/title_1362.jpg /sites/default/files/newsMainImage/title_1381.jpg

       2023年の新作としてクレドールのArt Piece Collection(アートピースコレクション)より、漆塗りダイヤルに螺鈿細工を施した数量限定モデルが登場します。

       限定モデルのデザインテーマは「流星螺鈿」(りゅうせいらでん)。高度な漆芸の技とコンテンポラリーデザインを組み合わせて表現しました。漆芸家、田村一舟氏の技により、漆黒の夜空に無数の星が流れる情景をダイヤルに描写。伝統的な螺鈿細工を、現代的なデザインで演出したモデルです。

       無数の星が放射状に流れる流星群を、螺鈿の貝特有の様々な色の輝きによって鮮やかに表現しています。使用している貝の幅は僅か0.2mm。先端加工技術と手業を駆使して、極細にカットしました。

       この限定モデルは23年2月10日(金)より1,650,000円(税込)にて発売されます。

      /sites/default/files/newsMainImage1/01_172.jpg

       時目盛となる螺鈿には、漆黒のダイヤルに際立つ明るい輝きを持つ白蝶貝を採用し、視認性にも配慮しています。その他の螺鈿には様々な色を放つ夜光貝を使用し、夜空に煌めき消えゆく流星の、はかない輝きを表現しています。職人の手作業による精緻な技を、存分にお愉しみいただけます。


      高級機械式時計にふさわしい極薄ムーブメント

       ムーブメントは、厚さわずか 1.98mmの極薄メカニカルムーブメント「キャリバー6890」を搭載しています。68系ムーブメントは国産最高級ドレスウオッチのために、時計としての性能のみならず工芸的な価値や美しさを追求して開発されました。雫石高級時計工房(※1)において、高度な技能を有する時計師が一貫して組立・調整からケーシングまで手掛けています。一つひとつの部品の形状補正やアガキ(部品と部品の間に必要な隙間)調整に 100分の 1mm単位の精度が求められるため、時計師の手先の感覚のみで最終的な仕上げを行います。一人の熟練時計師でも一日にわずか 1個から 2個しか組み立てられない、少量生産のムーブメントです。シースルーバック仕様の裏ぶたからは、深く鮮やかなブルーが印象的なテンパー仕上げ (※2)のねじを採用した、その美しいムーブメントをお愉しみいただくことができます。

      /sites/default/files/newsMainImage2/03_1.jpg

       <クレドール>は、日本人の感性と精緻を極めた技術により、豊かな個性を持つ高級ドレスウオッチのブランドとして 1974年に誕生しました。フランス語で「黄金の頂き(CRETE D’OR)」を意味する名前に相応しく、ムーブメントから細かな部品のひとつひとつに至るまで、厳選された素材に名工の技術を注ぎ込み、その美しさと品質を守り続けています。


      漆芸家 田村一舟 (たむら いっしゅう)

      1957年(昭和32年)生まれ。石川県金沢市在住。清瀬一光師に師事し金沢に伝わる伝統工芸「加賀蒔絵」を習得後、世界に類を見ない独自の細密技法を生み出しました。漆器のみならず、加賀蒔絵をあしらった高級万年筆や腕時計を発表、その極めて緻密な技術による精緻な美しさが、世界的に高い評価を受けています。


      (※1)雫石高級時計工房:盛岡セイコー工業株式会社(岩手県岩手郡雫石町)内にあり、部品製造から組立までを一貫して行っています。2004年に設立した、日本有数の高級機械式時計専門工房です。

      (※2)テンパー仕上げ:鉄を焼くことで表面にできる酸化膜の青色をさします。酸化膜の色は温度と加熱時間により千差万別に変化するため、深く鮮やかなブルーになった瞬間に焼きを止める必要があり、熟練の職人が一点一点手作業で丁寧に下地を磨いてから色むらがでないように焼いています。

      /sites/default/files/newsImage1/02_36.jpg

      <クレドール>アートピースコレクション 螺鈿ダイヤル限定モデル

      Ref.GCBY997
      ケース径:37.0mm(りゅうず・突起部含まず)
      ケース厚:6.5mm
      ケース素材:ステンレススチール
      ストラップ:クロコダイル
      防水性:日常生活用防水
      ムーブメント:手巻き、Cal.6890、37時間パワーリザーブ(最大巻上時)、22石、毎時21,600振動、日差+25秒~-15秒
      仕様:時・分表示、黒(漆塗、螺鈿細工) ダイヤル
      限定:60本
      価格:1,650,000円(税込)
      発売予定:2023年2月10日(金)

      ブランドニュース グランドセイコー(Grand Seiko) /sites/default/files/newsThumbnail/title_1359.jpg /sites/default/files/newsMainImage/title_1378.jpg

        グランドセイコーの新作として、AJHH(日本正規高級時計協会)が製作を依頼した特別限定モデル「エボリューション9 コレクション SLGA017」が登場します。

        AJHHに加盟する全国有数の高級時計正規販売店17店舗でのみ購入可能な特別限定モデル「エボリューション9 コレクション SLGA017」は2023年1月21日(土)発売開始、限定255本です。

      /sites/default/files/newsMainImage1/01_171.jpg

        高級時計の文化や伝統を次の世代に伝えることを目的として2005年に設立されたAJHH(日本正規高級時計協会)では、「人生の節目に腕時計を」をコンセプトに、人生の節目の記念品として腕時計が選ばれていることを、より一層、認知してもらうため、グランドセイコーと共に限定モデルを企画しています。

        2023年の限定モデルである「エボリューション9 コレクション SLGA017」は、様々なグランドセイコーらしい美しさに溢れたモデルとなっています。例えばケースのデザインは2020年からスタートした新しいデザイン文法の「エボリューション9 スタイル」にそってデザインされています。これは日本的な美意識の象徴である“光と陰”を、キレのあるポリッシュ仕上げや面と面が作る稜線で表現する一方で、光と陰の間にある“中間の美”を表現するために、ヘアライン仕上げを取り入れたものです。さらには針やインデックスを立体化して視認性を高めたり、ケースの重心を低くして装着性を高めたりと、着実にデザインを進化させています。

      /sites/default/files/newsMainImage2/02_142.jpg

        さらには生産拠点の自然や風土を表現した、美しいダイヤルも特徴です。「SLGA017」のダイヤルは、諏訪の工房から見える信州の山々に降り積もった雪が作り出す文様をイメージしており、ダイヤルのブルーは冬の澄んだ青空が雪面に写り込む情景を思わせます。そして最新のスプリングドライブムーブメントCal.9RA2を搭載しており、薄型設計ながら5日間のパワーリザーブを備える高機能モデルとなっています。

      /sites/default/files/newsImage1/03_125.jpg

      Grand Seiko
      Evolution 9 Collection
      SLGA017

      ケース径:40.0mm
      ケース厚:11.8mm
      ケース素材:ステンレススチール
      ストラップ:ステンレススチール
      防水性:日常生活用強化防水(10気圧)
      ムーブメント:スプリングドライブ 自動巻(手巻つき)、Cal.9RA2
      限定:255本、AJHHに加盟する全国17店舗のみで取扱い
      価格:1,089,000円(税込)
      発売予定:2023年1月21日(土)

      ブランドニュース ブルガリ(BVLGARI) /sites/default/files/newsThumbnail/title_1361.jpg /sites/default/files/newsMainImage/title_1380.jpg

       ブルガリは10年にわたり「オクト」(2012年)「オクト フィニッシモ」(2014年)により超薄型時計の概念に革命をもたらし、記録を次々と打ち立てました。このサーガは最薄の頂点を極めた「オクト フィニッシモ ウルトラ」により完結しましたが、ブルガリの冒険はこれからも続きます。「オクト フィニッシモ ウルトラ」は、革新的な機能を備えたプレゼンテーションボックスとともに、未来へ向けて前例のない扉を開きます。

       2022年11月10日開催のジュネーブ ウォッチ グランプリ(GPHG)で入賞を果たした「オクト フィニッシモ ウルトラ」。文字盤には当日に誕生10周年を迎えたオクトのコレクションにちなみ、12時位置のインデックスに10があしらわれていました。

       オクトがGPHGにおいて賞を受賞することはもはや恒例となっており、ブルガリは2017年、2019年、2021年、2022年と、おおよそ2年ごとにジュネーブの授賞式で受賞者を獲得してきました。あらゆる記録(8年連続の世界記録、60以上の国際賞)を達成し続けた物語の終焉を体現するこの最新作は、今までの次元を超えたタイムピースとなっています。

      /sites/default/files/newsMainImage1/m01_629.jpg

      新しいスタート

      「オクト フィニッシモ」はこれで終わりではありません。「オクト」誕生の10周年を記念した10本限定モデルが現在製作されています。厚さはわずか1.80mm、8つの特許が申請された記録的モデルの10時位置にエングレービングがされたピースです。

       ブルガリはさらに「オクト フィニッシモ ウルトラ 10周年記念モデル」の心臓部であるプレゼンテーションボックスにおいてユニークな体験を開発しました。ボックスによりオーナーは実際のピースに触れる前であっても「オクト フィニッシモ ウルトラ」の世界に視覚的かつ物理的にコンタクトすることができます。伝統と先進性の架けとなっているブルガリならではのハイブリッドなウォッチメイキングです。

      /sites/default/files/newsMainImage2/m02_506.jpg

      ユニークなエクスペリエンス

       このアイデアは、時計の時刻合わせと巻き上げについてのまったく新しい体験をオーナーに提供します。「オクト フィニッシモ ウルトラ 10周年記念モデル」では時刻合わせと時計の巻き上げという、昔から行われてきた2つの作業を従来通り手動で行うことも可能にしながら、特別なプレゼンテーションボックスにより全く新しい操作方法でも行うことができます。ウォッチをプレゼンテーションボックスにセットし、ボックス内にあるデジタル画面に希望の時間を設定します。ボタンを押してボックスを閉じた約20秒後には、まるで知らぬ間に精密な魔法をかけたかのように時刻がセットされ、巻き上げが完了します。もはやプレゼンテーションというよりも「オクト フィニッシモ ウルトラ」のメカニズムを巧妙に調整する時計職人がボックスの中にいるかのようなプレゼンテーションです。

      /sites/default/files/newsImage1/s01_620.jpg

      現代のライフスタイルに合わせたデザイン

       現代のライフスタイルに合わせ設計されており、ミクロショックや磁気、温度変化への耐性、経年変化など都会での使用に必要なすべてのテストをパスしています。

       さらにブルガリは「オクト フィニッシモ ウルトラ」により現実の世界(In Real Life)だけでなく、リアリティとヴァ―チャリティの境界を越えて仮想現実の無限の水平線を探求していきます。卓越した時計製造技術を象徴する存在でありながら、NFTやブロックチェーンといったデジタルの世界に向けてウォッチメイキングを新時代へと誘う存在でもあるのです。

      /sites/default/files/newsImage2/s02_354.jpg

      新たな地平線

      「オクト フィニッシモ ウルトラ」は、香箱に刻まれたQRコードにより現代的なオルロジュリーを新しい世界へと導きます。QRコードをスキャンすることでオーナーは自分専用のミニウェブサイトにアクセスし、スケッチやインタビューに加えて自分だけのタイムピースの製作過程を撮影したビデオや写真が含まれた、時計に命を吹き込んだアートを発見する旅に出ることができます。

       さらにブルガリ ウォッチ プロダクト クリエイション エグゼクティブ ディレクターであるファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ監修のNFTアートワークも付属しています。この作品では、彼が数十年の長きにわたりオクトの世界で培ってきた経験と「オクト フィニッシモ ウルトラ」の誕生に至るまでのストーリーが語られています。このタイムピースは、8つの特許とブルガリ シンギュラリティ テクノロジーによって証明された時代を超越するNFT作品の保管庫となっています。ブロックチェーンのおかげでブルガリの作品とそれに関連するNFTの作品の間にある確固たる関係が証明され、物理的そして仮想的な作品双方の真正性と所有権が保たれます。

      /sites/default/files/newsImage3/s03_215.jpg

      OCTO FINISSIMO ULTRA 10th ANNIVERSARY
      オクト フィニッシモ ウルトラ 10周年記念モデル

      Ref:103611
      ケース径:40.0mm
      ケース厚:1.8mm
      ケース素材:チタン、タングステンカーバイド
      防水性:10m
      ストラップ:超薄型チタン製ブレスレット、フォールディングバックル
      ムーブメント:手巻き、Cal.BVL180、約50時間パワーリザーブ、毎時28,800振動
      仕様:アワーカウンター、ミニッツカウンター、ブラックのPVDインジケーター付セコンドホイール、サンドブラスト加工を施したステンレススティール製タイムセッティングホイール、サンドブラスト加工を施したステンレススティール製ワインディングホイール、サンドブラスト加工を施したステンレススティール製ラチェットホイールに各ウォッチ専用のNFTアートにリンクする固有のQRコードをエングレービング、プレゼンテーションボックスが付属
      限定:世界限定10本(完売)

      ブランドニュース リシャール・ミル(RICHARD MILLE) /sites/default/files/newsThumbnail/title_1360.jpg /sites/default/files/newsMainImage/title_1379.jpg

      ・ ロックの世界からインスパイア
      ・ 12時位置にフライング トゥールビヨンを搭載
      ・ 世界50本限定生産


       リシャール・ミルより2023年の新作として、RM 66 フライング トゥールビヨンが登場しました。RM 66 フライング トゥールビヨンは、コレクションの中でも最も贅沢な時計のひとつであり、世代、潮流、心理状態を象徴する「ホーン」を象ったハンドサインが目を引きます。RM 66 フライング トゥールビヨンのオリジナリティは、ブランドと同じように、あらゆる限界に挑戦しようとするすべての人の共感を得られることでしょう。

       まず、5Nレッドゴールドのオープンワークの手が、その指でムーブメントを掴んでいる様子に目を奪われます。既存のデザインには左右されず、リシャール・ミル独自のルールに従うため、この作品の手はまるでレントゲンで映し出されたかのようです。これはRM 052 トゥールビヨン スカルに通じるもので、メメント・モリの概念が根底にあるこのモデルは、一瞬一瞬を精一杯生きる事の大切さをスカルというシンボルによって教えてくれています。同様に、RM 66 フライング トゥールビヨンは、60年代の破壊的な精神とロックンロールを鮮明に呼び覚まし、激しいビートに乗せて、そこにはかつてないほど高揚する生命の息吹が宿っています。

      /sites/default/files/newsMainImage1/m01_628.jpg

       ホーンのジェスチャーは、伸ばした人差し指と小指が表に現され、親指の付け根の指節から中指、薬指が押さえられた様子が時計の裏側から見えるようになっています。クリエイティブディレクターのセシル・グナによって考案されたこのモデルでは、まず手の5本の指を削り出した後、エングレーバーの手に渡り、手作業で仕上げられます。ジュネーブのエングレーバー、オリヴィエ・ヴォーシェの手で、バリ取りと研磨という長期にわたる丁寧な作業により骨の輪郭が浮き彫りにされ、マイクロブラスト仕上げにより繊細な関節部分が強調されています。

       手巻きキャリバーRM66は、72時間のパワーリザーブを備えた高速巻き上げ香箱を6時位置に、トゥールビヨンを12時位置に配置した、ブランド初の構造を採用しています。最大の透明性を確保するため、グレード5のチタン製ムーブメントは、手のラインに沿って高度にスケルトン化されています。これを可能にしたのは、スケルトン化を強化するためにリシャール・ミルが採用した類まれなる複雑な機械的ソリューション、可変慣性モーメントを備えるフライングトゥールビヨンです。トゥールビヨンケージは軸の一端のみで固定され、上部のブリッジを排除してキャリバーの優美さを視覚的に際立たせています。しかし、この賭けは非常に危険なものでもあります。というのも、リシャール・ミルの耐衝撃性テストは、ウォッチメイキング界の中でも最も厳しいもののひとつであるからです。ムーブメントを180度反転させた異例の配置は、トゥールビヨンのバレエのような美しさを誇らしく表現しています。

      /sites/default/files/newsMainImage2/m02_505.jpg

       RM 66 フライングトゥールビヨンにロックの世界観を取り入れるには、かなりテクニカルな工夫が必要でした。実際にケース部門では1500時間の研究開発と9ヶ月に及ぶ作業が行われました。例えば、ギターのピックのような形状のインデックスはチタン製で、尖ったアーチ状に引き伸ばされています。チタンでは難しいのですが、マイクロブラストを完璧に行うためには、まずこの部品を研磨する必要があります。そして各インデックスは、チタン製のベゼルにネジで固定されます。もちろん、ブラックガルバニック処理の前に面取りされたベゼルのエッジを磨くことも、非常にデリケートな作業であることは言うまでもありません。

       グレード5チタン製のリュウズは、ゴシック風の造形部分がルビーを抱くクモの形をしており、円形のブラックラバーガスケットを採用するなど、細部にまで徹底した配慮がなされています。このメカニズムを組み立てるのは非常に困難な作業でした。エングレービングされたスカルキャップは、RM 052 トゥールビヨン スカルを連想させます。トルクリミットクラウンは香箱の張力が最適になると自動的に外れるようになっており、巻き上げ過ぎの心配がありません。

      /sites/default/files/newsImage1/s01_619.jpg

      「開発から完成まで200時間以上を費やしました。さらにリュウズ1個の加工・仕上げには12時間を要します。チタンの研磨は、ゴールドやスチールの研磨よりはるかに難しいのです。それだけでなく、研磨によってリューズがズレないように保持することも難しく、特殊な部品を使って内側から固定しなければなりませんでした。このように、このリューズの制作には巧みな錬金術が必要なのです」と、ケース部門のテクニカルディレクターであるジュリアン・ボワイヤは説明します。

      /sites/default/files/newsImage2/s02_353.jpg

       このケースは、カーボンTPT®の質感とゴールドの高貴な輝きのコントラストを演出しています。サテン仕上げのピラーとポリッシュ仕上げの面取り部分を持つグレード5のチタン製ミドルケースには、5Nレッドゴールドのプレートが挿入されています。このプレートには「クル・ド・パリ」模様が施され、機械加工後にハンドポリッシュを行い、パンクベルト特有のシャープなエッジを表現しています。

       世界50本限定のRM 66 フライング トゥールビヨンは、細部に至るまで目を見張るようなダイナミックなタイムピースで、その独創的な精神とブランドに対する忠誠を表現した魅力的なモデルです。

      /sites/default/files/newsImage3/s03_214.jpg

      RM 66 FLYING TOURBILLON
      RM 66 フライング トゥールビヨン

      Ref:RM66
      ケースサイズ:42.70×49.94mm
      ケース厚:16.15mm
      ケース素材:グレード5チタン、5Nレッドゴールド
      防水性:50m ストラップ:ラバー
      ムーブメント:手巻き、Cal.RM66、約72時間パワーリザーブ(±10%)、17石
      仕様:時・分表示、フライング トゥールビヨン、カーボンTPT®製ベゼル
      限定:世界限定50本
      価格:151,800,000円(税込)

      ブランドニュース リシャール・ミル(RICHARD MILLE) /sites/default/files/newsThumbnail/title_1358.jpg /sites/default/files/newsMainImage/title_1377.jpg

      ・ フェラーリ・コンペティツィオーニGTの耐久レースで初の女性ドライバーに就任
      ・ フェラーリ 488 GTE AFコルセのステアリングを握り、LMGTE Amカテゴリーに参戦予定
      ・ リシャール・ミルのパートナーに加わり、RM 07-01 レッドクオーツTPT®を着用


       リシャール・ミルが、若き天才女性ドライバー、リルー・ワドゥを新たにブランドのパートナーに加えました。リルー・ワドゥは同時にフェラーリ・コンペティツィオーニGT初の女性公式ドライバーとなり、耐久レースの高みへの到達に挑戦します。彼女は2023年3月17日、LMGTE AM(「ル・マン」耐久グランドツーリング アマチュア)カテゴリーのスターティンググリッドにつき、AFコルセチームでフェラーリ 488 GTEのステアリングを握ることになるのです。これは、WEC(世界耐久選手権)シリーズのGTレースにおいて、WEC GT Proカテゴリーで2022年のチャンピオンに輝いたAFコルセと、パートナーシップを継続しているブランドにとって、当然の流れであると言えるでしょう。

       リルーは、リシャール・ミル レーシングチームでそのポテンシャルを最大限に発揮し、2022年のWEC最終戦ではLMP2カテゴリーで見事なドライビングを披露しました。若干21歳にして、彼女は多くの経験を積んできました。アミアン(フランス)出身の新しいLMGTEドライバーには、スピード、穏やかさ、戦闘力という言葉が最もよく似合います。

       幼い頃からカートに熱中していたリルーのモータースポーツにおける進化への欲求は、15歳の頃からフランスで絶え間ないテストと周回を重ね、翌年にはフルスロットルで彼女にとって初めてのヨーロッパでのGTレースで輝きを放つようになりました。リルー・ワドゥは、プロモーション・フォーミュラの真価を発揮し、自然と耐久レースに目を向けるようになり、2020年に女性ドライバーに国際的でハイレベルなモーターレース競技へのアクセスを提供することを目的に設立されたリシャール・ミル レーシングチームに参加することになったのです。

      /sites/default/files/newsMainImage1/m01_627.jpg

       2023年にAFコルセの一員となったリルーの才能は、近年のGTレース、特に世界耐久選手権(WEC)でほぼすべての勝利を収めているイタリアのチームに生かされることになります。リルーは次のようにコメントしています。「フェラーリとの新しい冒険が待ち遠しいです。AFコルセの信頼はもちろん、リシャール・ミル レーシングチームのアマンダ・ミル、そしてマネージャーのフィリップ・デュマの揺るぎないサポートに感謝しています。私は自分のキャリアにおいて新たな一歩を踏み出しました。LMGTE AMカテゴリーは 、速いドライバーが多く、非常に競争が激しいです。488は要求の多いマシンですが、パフォーマンスが非常に高いので、それを100%発揮するためには、ドライビングテクニックを見直さなければなりません。でも、この挑戦の準備はできています」

       AFコルセは、フェラーリおよびそのコンペティツィオーニGT部門とのパートナーシップにより、フェラーリが3度のマニュファクチャラーズタイトル獲得、チームが3度のドライバータイトル、50回のクラス優勝、LMGTE AMでの優勝を含む3回のル・マン24時間優勝を果たした700馬力の4.0L V8バイターボを搭載したフェラーリ 488 GTEを走らせます。

       リシャール・ミルのブランド&パートナーシップ・ディレクターであるアマンダ・ミルは、フェラーリとの新たな冒険を見守ることになりますが、それは感慨深いものがあります。アマンダ・ミルは次のように述べています。「リシャール・ミル レーシングチームが誕生して3年、技術チームとドライバーの素晴らしい働きによって、私たちは女性ドライバーを最高のレベルに引き上げ、ハイレベルのチームを相手に入賞するという目標を達成することができました。リルーのキャリアはまだ始まったばかりですが、フェラーリの耐久レースの公式ドライバーになったことで、すでにモーターレースの歴史に新しいページを刻みつつあります。まだまだ課題は山積みですが、彼女が表彰台の頂点に立てるよう、私たちはこれからも彼女のそばで応援していきます」


      2023 FIA 世界耐久選手権シーズンカレンダー
      - 3月11日~12日:セブリングでの公式プロローグ
      - 3月17日:セブリング1000マイル
      - 4月16日:ポルティマオ6時間
      - 4月29日:スパ・フランコルシャン6時間
      - 6月10日~11日:ル・マン24時間
      - 7月9日:モンツァ6時間
      - 9月10日:富士6時間
      - 11月4日:バーレーン8時間

      ブランドニュース ボーム&メルシエ(BAUME & MERCIER) /sites/default/files/newsThumbnail/title_1357.jpg /sites/default/files/newsMainImage/title_1376.jpg

       2023年の新作として、ボーム&メルシエより「リビエラ チャイニーズ ニューイヤー ラビット エディション」が登場しました。

       チャイニーズ ニューイヤーは、2023年1月22日にうさぎの干支で祝われます。ボーム&メルシエも、その新年を一緒に祝うため、「リビエラ」コレクションのスペシャル・エディション、「リビエラ」チャイニーズ ニューイヤー ラビット(M0A10719)が創作されました。アイコニックなこのスポーツシックのデザインの時計は、運、幸福、富をもたらす中国の伝統的なシンボルで飾られます。高いパフォーマンスを誇る自社キャリバー ボーマティックが搭載され、卓越したエネルギーを与えます。


      中国干支の12年のサイクルと呼応した12角形のケース

       中国暦の年の変わり目は、《太陰暦の新年》とも呼ばれ、太陽の年周期と月相の周期を基とした、グレゴリオ暦の太陰太陽暦の最初の月の一日にあたります。常に1月21日と2月20日の間の新月の日であり、2023年1月22日の春節によりうさぎ年が始まり、太陰暦の除夜である2024年2月9日まで続きます。古代中国の宇宙観察と時の計算、占星学、天文学を基にした中国暦は、12年周期で構成され、通常の1年は12の朔望月を含みます。

      「リビエラ チャイニーズ ニューイヤー ラビット エディション」は、そのコレクションの象徴的な12角形の12の辺が文字盤の12時間と見事にマッチしています。ケース径42mmのポリッシュ・サテン仕上げのステンレススティール製の力強いケースは、透明なウェーブモチーフプリントで飾られたスモーキーグレーのサファイアダイヤルを備え、マイクロビーズ仕上げの4本のスティール製ビスで固定されたサンレイ・サテン仕上げのベゼルとのコントラストにより際立っています。両面に無反射加工を施した傷のつきにくいサファイアガラスにより保護されたこの美しさは、スーパールミノバ(C1、ブルー発色)塗布のピンクゴールドコーティングされたスティール製のリベット止めローマ数字とインデックス、そしてピンクゴールドコーティングされたスティ ール製のファセット加工された時分秒針により高まっています。3時位置の窓からは、日付表示を見ることができます。

      /sites/default/files/newsMainImage1/m01_626.jpg

      2023年 中国干支のうさぎが主役

       中国暦を刻む12のそれぞれの年は、伝統的に動物とそれぞれに由来があります。2023年は、うさぎと水の年です。新年のスローガンは、運と幸福を告げます:《金兔携名福、星月照万士》《ウサギが幸福をもたらし、常にあなたに寄り添います》。可愛らしいこの動物は中国では長寿を意味し、このメッセージがより心に響きます。「リビエラ チャイニーズ ニューイヤーラビット エディション」の文字盤上の8時位置にうさぎが配され、数字の8は幸運と富を象徴しています。12角形のケースバックは、サファイアクリスタルを通してオープンワークが施された美しい回転ローターを鑑賞することができます。「リビエラ」コレクションの生きる喜びと自由な精神をしっかりと含みながらも、この活気に満ち溢れたデザインにより、美しい時の流れと新年を待ちわびる期待感を見事に体現しています。ケースバックのサファイアクリスタルに施されたうさぎを囲むデザインは、中国の歴史を1600年にも遡り、豊富な文化的意味を持つ中国の様々な楽器に使われていた伝統的な装飾モチーフが採用されています。古来から、中国では幸運のシンボルと考えられ、富と幸福を絶えずもたらしてくれると考えられています。


      レッドとゴールドの象徴的なカラー

       中国の春節を祝い、「リビエラ チャイニーズ ニューイヤー ラビット エディション」は、お祝い事によく使われる力強いゴールドとレッドのカラーをまとっています。時計のローマ数字、針、インデックスは気高さ、勝利、富を具現するゴールドのカラーが施されています。同様に、レッドはお祝い、喜び、平和を意味します。ボーム&メルシエのシンボルであるΦファイマークが刻まれた8角形のリューズは、レッドの繊細なラインで囲まれ、ケ ースバックにプリントされた赤いウサギ、付属のレッドのラバーストラップは、年の初めに中国の人々が親しい人たちに願う幸福を想起させます。

      /sites/default/files/newsMainImage2/m02_504.jpg

      自社ムーブメント ボーマティック、長寿の証

       自社ムーブメント ボーマティックは、新たな年を華々しくスタートさせてくれます。COSC認証(スイス公認クロノメーター検定)を持つその計時精度、日常的な耐磁性、そして、120時間(5日間)パワーリザーブを備え、まさしく耐久性、持続性、堅牢性を保証しています。「リビエラ チャイニーズ ニューイヤー ラビット エディション」は、10気圧防水(約100m)が備わっています。


      交換可能なストラップ、スタイルの主張

      「リビエラ チャイニーズ ニューイヤー ラビット エディション」のポリッシュ・サテン仕上げのステンレススティール製ブレスレットは、一体型3連リンク式で、セーフティ・トリプル・フォールディングバックルを備えています。高い信頼性と頑丈さを持つインターチェンジャブルシステムにより、特別なツールを必要とせず、同様にこの巧妙なシステムを装備した付属のグレイン・サテン仕上げのレッドラバーストラップと簡単に交換することができます。この新しいタイムピースは、1973年の発売以来、想像力豊かなデザインのスピリットを体現し、そのデザインコードを駆使して愛好家を魅了してきました。

      /sites/default/files/newsImage1/s01_617.jpg

      RIVIERA CHINESE NEW YEAR RABBIT EDITION
      リビエラ チャイニーズ ニューイヤー ラビット エディション

      Ref:M0A10719
      ケース径:42.00mm
      ケース厚:10.66mm
      ケース素材:ステンレススティール(ポリッシュ・サテン仕上げ)
      防水性:10気圧(100m)
      ストラップ:ステンレススティール製3連ブレスレット(ポリッシュ・サテン仕上げ)、インターチェンジャブル、トリプルフォールディングクラスプ、交換用レッドラバーストラップが付属
      ムーブメント:自動巻き、Cal.Baumatic BM13-1975A(自社ムーブメント)、120時間パワーリザーブ、21石、毎時28,800振動
      仕様:時・分・秒・日付表示、ウェーブ装飾を施したスモークグレーサファイアクリスタルダイヤル、サンレイ・サテン&ポリッシュ仕上げステンレススティールベゼル、サンドブラストADLC加工の4本ビス、オープンケースバックに赤のラビット装飾、ファイのロゴをエンボス加工した赤のライン入り8角形リューズ
      価格:627,000円(税込)
      発売予定:2023年1月中旬

      372 /sites/default/files/staticContentThumbnail/img_122.jpg https://www.gressive.jp/send/brand/230116-grandseiko-ajhh/index.html?top _self 25


        0 staticcontent 1/16 21:00公開
        ブランドニュース パルミジャーニ・フルリエ(PARMIGIANI FLEURIER) /sites/default/files/newsThumbnail/title_1356.jpg /sites/default/files/newsMainImage/title_1375.jpg

         2023年の新作として、パルミジャーニ・フルリエより、世界初の中国暦のコンプリートカレンダー搭載の「トンダ PF シィアリーカレンダー」が登場しました。

         シィアリーは、単なるカレンダー時計ではありません。それは、パルミジャーニ・フルリエが大切にするスイスの機械式芸術で表現した、文明と、多様な文化が生み出した暦への讃美です。『シィアリー』という名前は、中国の伝統的な暦である夏暦を意味します。

         人間は歴史を通して、時間をコントロールし、その流れを予測し、図式化することで、社会、宗教、農業生活のリズムをより整えようと努めてきました。世界共通のカレンダーによって、人は時間の流れの中でマイルストーンのように刻まれた日付を確認することができます。パルミジャーニ・フルリエはつねに、時間という文化現象に魅了されてきました。そしてこの度、「トンダ PF シィアリーカレンダー」を発表しました。これは、グレゴリオ暦とイスラム暦を再現したスペシャルエディションに続く、非常に複雑な作品で、パルミジャーニ・フルリエが開発するカレンダー領域を代表する三作目となります。

         暦は、文明や社会、信仰の対象、そして影の動きや季節の移り変わり、月の満ち欠けの神秘など、定義しがたい現象を映し出すという、もっとも興味深い機能を備えた発明のひとつです。これらの現象は一体となり、人間の活動にとって重要な役割を担っています。


        太陰太陽暦

         中国の暦は、太陽暦と太陰暦を別々に計算し、それを同期させるという複雑なものです。これは、太陰月またはうるう月を追加することで実現されています。約三年ごとに導入される13ヶ月目の月によって、ふたつの周期が一致するようになります。また、中国の暦では太陽年を二十四節気に分割し、これが農暦を象徴します。

         新年は正確な規則に従って決められ、その直前にある月の名前を冠します。この計算は複雑ですが、季節に沿ったものであり、旧正月を春の到来に合わせることができます。より一般的な新暦で言うと、一月末から二月末の間(1月21日から2月19日)にあたります。

        /sites/default/files/newsMainImage1/m01_625.jpg

        60年周期

         中国暦は、月に名前をつけて年に数字を充てるグレゴリオ暦とは違い、月に数字を充て年に名前をつける暦です。年号は60年周期(六十進法)で繰り返されますが、日、曜日、月などの暦は天文観測に基づいた計算により変動します。このように計算が変動するため、中国暦の永久カレンダーをつくることは不可能なのですが、パルミジャーニ・フルリエはもっとも完全なる、かつ正確な中国暦を時計の形で実現するという点において可能な限り前進しました。この時計の時間単位は、十進法の「十干」と十二進法の「十二支」の組み合わせで構成されています。

         十干は、季節や惑星に水、木、金、火、土の五行説の要素を割り当てる役割を担っています。十二支は、それぞれ動物で表される干支で、その動物が60年周期とその年に生まれた人に与える運命や性格への影響を表すとされます。


        要素が多く、情報が複雑なカレンダー

         パルミジャーニ・フルリエは、複雑な情報をすべてダイヤルに集約することに成功しました。ダイヤルに表示されている情報は、時、分、月の表示とその番号、三年ごとの追加月、短い月(29日)または長い月(30日)、黄道に沿った太陽の進路を視位置によって15度ずつ24分割した二十四節気、ポインターと年号、陰陽の色分けによる十二支の動物や五行説の元素の表示、そして日数とムーンフェイズなど多岐にわたります。すべての情報はひと目でわかり、ミドルケースの両脇にある様々な補正装置によって素早く調整することができます。

         この時計は、新しいキャリバーPF008に搭載された非常に高度なメカニズムにより、これらの情報を繁体字で表示します。中国の暦は周期的なものではないため、情報は機械的にプログラムされ、カムシステムによって12年の期間をカバーします。12年の期間を過ぎると、時計はリセットされ、新たな12年間が始まります。この期間中は時計が止まらない限り、調整も必要なく、すべての情報は正確なまま保たれます。もし時計が止まってしまっても、長期間分の調整を容易にする補正装置によって、曜日と月の数字を変えるだけで元に戻すことができます。

         ブランド創業者で時計師でもあるミシェル・パルミジャーニは、ウォッチメイキングのさらなる高みに到達するために、数々の複雑な暦からインスピレーションを受けてきました。パルミジャーニ・フルリエの複雑カレンダー機構の歴史は、グレゴリオ暦のアニュアルカレンダーから始まり、2019年には「トンダ ヒジュラ パーペチュアルカレンダー」(イスラム太陰暦)が続きました。ヒジュラ暦の小型化という革新は、2020年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)のイノベーション部門賞受賞という形で評価を得ました。この流れに継ぐ中国暦モデルは、メゾンの複雑カレンダー機構第三作目となります。

        /sites/default/files/newsMainImage2/m02_503.jpg

        インペリアル・ピュリティ

        「トンダ PF シィアリーカレンダー」は、パルミジャーニ・フルリエにとって重要な複雑カレンダー機構のテーマを発展させるだけでなく、トンダ PF コレクションのサルトリアルなスタイルも保持します。開発と設計のプロセスには、デザインと機能のバランスを保つことが必要でした。複雑な機構であることは、必ずしも複雑な構造である必要はないからです。このようなカレンダーをつくる上での挑戦は、トンダ PF コレクションのデザインコードを尊重しながら、最後のディテールまで突き詰める作業でした。ロジウムコーティングされた18Kホワイトゴールドのアプライドインデックスと、スケルトンの時針・分針を備えた複数の層にわたるダイヤルは、インペリアルレッドで彩られ、表面にはバーリーコーン(麦の穂)模様のギョーシェで飾られています。

         ステンレススティールケースの、プラチナ950製のベゼルにはローレット加工が施され、ステンレスステ ィール製の一体型ブレスレットは、手首に巻いたときの快適さとエレガントな見た目が特徴です。パルミジ ャーニ・フルリエでは当然のオープンケースバックからは、サファイアクリスタル越しにムーブメントとその装飾を楽しむことができます。コート・ド・ジュネーブ仕上げの18Kピンクゴールドのスケルトンローターが、特別なキャリバーに軽快さと開放感を与えます。

         あとは、2023年1月22日に卯年を迎える、中国暦の旧正月のお祝いの準備をするのみです。

         創業者・時計師 ミシェル・パルミジャーニは次のように語ります。「暦は文明のレントゲン写真です。人間と自然の観察から生まれるものであるため、神秘性を備えています。自然を見渡せば、美しい規則に満ちています。都市部にいると、自然について語るのが難しくなります。創作活動を行うときは、自然やそのリズムの中に身を置くと、創造力が刺激されます。自然を観察することで、人は歴史を旅し、文明の発展をたどることができます。私は、中国暦ととてもよく似た暦を使用していたマヤ文明やトルテカ文明についても思いをめぐらせています。暦は、自然の季節を理解し、種まきや収穫の時期を計画し、冬の寒さや夏の暑さを予測し対応するために生まれました。暦が存在するのは、自然が育む現象を予測する必要があるからです」

         パルミジャーニ・フルリエ CEO グイド・テレーニは次のように述べています。「今年は実に特別な年です。このプロジェクトは、私にとって思い入れのあるものであり、今年のコレクションの核となるものです。パルミジャーニ・フルリエの『トンダ PF シィアリーカレンダー』は、ミシェル・パルミジャーニの文化暦への情熱から生まれた中国暦を完全網羅した時計です。私にとっても、異なる文化を尊重し、理解するという意味において、とても大切な作品です。文明の違いは、時間をどのように解釈するかにあります。中国暦は、太陽暦と太陰暦が一体化されているため、掌握するのがもっとも困難な暦のひとつです。周期的でない暦の要素のすべてを、初めて手首の上に見ることができるようなったのです。これを成し遂げるのは、大変な挑戦でした」

        /sites/default/files/newsImage1/s01_616.jpg

        Tonda PF Xiali Calendar
        トンダ PF シィアリーカレンダー

        Ref:PFH982-1022301-100182
        ケース径:42.0mm
        ケース厚:12.2mm
        ケース素材:ステンレススティール(ポリッシュ/サテン仕上げ)
        防水性:100m
        ストラップ:ステンレススティール(ポリッシュ/サテン仕上げ)、ステンレススティール製フォールディングクラスプ
        ムーブメント:自動巻き、Cal.PF008(自社製)、毎時28,800振動(4Hz)、約54時間パワーリザーブ、42石
        仕様:時・分・秒表示、コンプリートチャイニーズカレンダー、高精度ムーンフェイズ、バーリーコーン(麦の穂)パターンのギョーシェを施したインペリアルレッドダイヤル、プラチナ950ローレット加工ベゼル、シースルーケースバック
        価格:9,251,000円(税込)

        を購読

        NEW RELEASE

        新着情報をもっと見る