ジャン-メレ&ギルマン(JEAN‐MAIRET&GILLMAN)は、オーナーであるセザール・ジャン-メレ自身がデザインを手がけるウォッチブランドだ。実は彼のファミリーは生粋の時計筋であり、ジャン-メレ家は19世紀初頭から時計業界に深く関わる名門。そして母方はかの有名なボヴェ家という、まさにスイス時計業界のサラブレッドである。2002年に創業された若いブランドでありながら、伝統的な時計づくりの文脈をとらえたクラシカルテイストを特徴とし、そして時に大胆に遊び心を盛り込んだ時計たちは各方面で評判が高い。
ジュネーブ駅近くのフォーシーズンズ・ホテルで執り行われた新作展示会では、<JMG>のロゴが打ち抜かれたディスクを、秒針の位置にアイコニックにあしらった「グランデイトII」や、フラッグシップモデル「コンチネンテス」の新ダイヤルなどが披露された。そして、まだ試作段階だがぜひとも注目したいのが、時計のケースになんと<葉巻カッター>を取り付けてしまった、非常にユーモラスな「コンチネンテス クープ・シガー」だ。セザール氏は、このモデルを創作するに至ったエピソード、そして人々を驚かせるような腕時計のアイデアがまだ他にもストックしてあることなどを話してくれた。
ジャン-メレ&ギルマンがつむぎ出す独創的な時計物語は、今はまだ序章に過ぎないのだろう。