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2023 New Model | RESSENCE
2023年 レッセンス新作 タイプ 3 EE

【編集顧問 田中克幸 ピックアップ】

 2013年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)で、“オロロジカル・レヴェレイション賞”を受賞した「Type 3」。史上初のオイル封入式機械式時計に成功した当モデルに、新たに採用されたユーカリグリーン・ダイアルが「タイプ 3 EE(Type 3 EE)」だ。特徴は“ペブルデザイン”とレッセンスが名付けた小石のような丸味を帯びたデザイン。これによりケースから時計ガラス、ダイアルへと続くシームレスフォルムが完成。さらにオイルによる視覚効果で高い視認性も加わった。なおダイアルとムーブメントは各々チャンバーで独立・分割されており、オイルは前者にのみ封入され機械部には侵入しない構造だ。自動巻き、Cal.ROCS 3(ETA2824-2ベース)搭載。


タイプ 3 EE

Type 3 EE
タイプ 3 EE
ケース径:44.0mm
ケース厚:15.0mm
ケース素材:チタニウム(グレード5)
防滴性:1気圧(10m)
ストラップ:アンスラサイト(ハニカム構造)
ムーブメント:自動巻き、Cal.ROCS 3(ETA2824-2ベース)、毎時28,800振動(4Hz)、部品数387個、47石、36時間パワーリザーブ
仕様:時・分表示
価格:6,303,000円(税込)




時計に配置された各ダイアルの機能を説明したい。なお、ダイアル上に各々ホワイトペイントされている、やや先細りの形をした棒が“針”である。まずメインダイアル上の長針が分表示となり60分かけて1周する。次に6時位置が時表示ダイアルで12時間をかけて1周、10時位置は曜日ダイアルで7つのセグメントパート中ふたつの赤い表示部は土日を示す(時計回りに回転するので写真は土曜日を示している)。2時位置が温度計、また3-4時位置にはスモールセコンド(レッセンスではこれを“ランナー”と呼称し、写真の「Type 3EE」では180秒=3分で1周する)を設置。そしてドーム型に形成されたダイアルの曲面まで活用されたのが、最外周部のデイト表示計だ。イエローのポイントが当該日の日付を示す。メインの分表示ダイアルを含めてすべてのダイアルは時計回りに回転するので、ご覧頂いてるダイアルのカタチが維持されるのはほんの1分程度。この写真では「10時0分90秒、土曜日、温度計=適温範囲内、21日」と読める。おそらく今後は月や年表示機能を追加搭載したり、クロノグラフにも挑戦するかもしれない。なお温度計はダイアル・チャンバーに注入されたオイルの温度測定用に使用される。


時表示サテライト・ダイアルの12時位置には、数字の代わりにレッセンスのロゴであるハンドマークが記されている。これがレッセンスであることを示す唯一の証で、一般の時計のようにブランドロゴや製品名等は一切記されていない。これは「優れた製品はブランド名を出さずとも自ずとわかるもの。だからブランド名を表記する必要はない」というミンティエンス氏の考えによるものだ。面白いことに同様な考えを聞いたことがある。H.モーザーCEOのエドゥアルド・メイラン氏である。ベンタブラック®採用モデルのダイアルにブランド名を記さない理由として、彼は「優秀な製品はブランド名を出さなくても自ずと分かります。ポルシェ911のように」と述べている。レッセンスが2013年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)で受賞した部門賞名は“オロロジカル・レヴェレイション(Horological Revelation)賞”だが、この“Revelation”とは“驚くべき新事実”という意味がある。レッセンスの回転式機構にも驚かされるが、本モデルのオイル封入式機械式時計という発想は、まさに“Revelation”。


史上初のオイル封入式機械式時計の機構説明を以下に記したい。サイドから見た場合、時計は上部が時刻表示のダイアル・チャンバー、下部はムーブメント・チャンバーとふたつの独立したチャンバー(chamber=部屋)に分離配置されている。密閉空間のダイアル・チャンバーにはROCS(Ressence Orbital Convex System=レッセンス・オービタル・コンベックスシステム)のディスプレイ・モジュールが設置されており、ここに35.7mlのオイルが注入されている。つまり、ディスプレイはオイルに浸った状態になる。このオイルとサファイアクリスタルガラスの屈折率の影響により、まるでガラスが存在しない状況下で、全ダイアルがアニメーションのような動作をする視覚効果を生み出している。注入オイルの種類は非公開のようだが、オイルは温度変化により膨張・収縮の体積変動が発生するので、これを相殺する調整弁としてベローと呼ばれる7つのふいごが備えられている。一方、下部のチャンバーにはムーブメント・モジュールを設置。そこで分離され機械的に接続されていない上下チャンバーの接続方法だが、磁気によるトランスミッションを採用することで、上下のチャンバー内のモジュール同士を接続している。マイクロサイズの7個の磁石を上下のチャンバーに配置し、各々が引き合う力を利用しているのだ。しかし、この方法では調速脱進機の磁性の問題が懸念されるが、ミンティエンス氏によれば耐磁あるいは防磁機能のインナーケースのような手段を用いているようだ。IWCパイロット・ウォッチの軟鉄製インナーケースのようなものだろうか?


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