2023 New Model ｜ RESERVOIR
2023年レゼルボワール新作　ブラックスパロウ

【編集顧問田中克幸ピックアップ】

　第一次世界大戦中、フランス陸軍航空部隊に入隊した初のアフリカ系アメリカ人戦闘機パイロットであり、1959年に当時のシャルル・ド・ゴール大統領よりレジオン・ドヌール勲章を授与されたユージン・ジェームズ・ブラードを讃えるモデルが「ブラックスパロウ（BLACK SPARROW）」。「カニスター 316」にも採用された新型ムーブメントのCal.RSV-240を搭載。ブラックPVDケース＆ブラックダイアル＆ブラックのバレニアレザーストラップ仕様の精悍なスタイルは、“ブラックスパロウ”＝“黒い雀”に相応しいスペックだ。1920年代〜1930年代の複葉機時代とちょうど時を同じくする、アール・デコ調のインデックスとコブラ針のクラシックデザインに惹かれる。

BLACK SPARROW
ブラックスパロウ
Ref：RSV02.PL/135BL
ケース径：42mm
ケース素材：316Lステンレススティール(ブラックPVD加工)
防水性：5気圧(50m)
ストラップ：ブラックバレニアレザー
ムーブメント：自動巻き、Cal.RSV-240(LJP-G100ベースの113個のパーツから構成される特許取得済みのモジュール搭載)、毎時28,800振動、43石、約56時間パワーリザーブ
仕様：時(ジャンピングアワー)・分(レトログラード)表示、シースルーバック
予価：616,000円(税込)
発売予定：2023年12月

ラ・ショー・ド・フォンに本拠を構えるムーブメント開発・製造会社のテロスウォッチ社（Télôs Watch SA）が、レゼルボワール専用に開発したモジュール“P168”を採用する自動巻きのCal.RSV-240。モジュール“P168”は、こちらもラ・ショー・ド・フォンのラ・ジュウ・ペレ社製造による“LJP-G100”をベースとする複合体ムーブメント。毎時28,800振動、43石、約56時間のパワーリザーブでレトログラードミニッツ、ジャンピングアワーの機能を持つ。なお写真では見えないが、ダイアル側の6時位置のジャンピングアワー表示計の上には仏陸軍航空部隊の軍章を表示する。

ユージン・ジェームズ・ブラードの愛機「ニューポルト24」（Nieuport / ニューポールとも表記）。ニューポルト社は仏の航空機製造会社で、当機体は主翼の上翼と下翼を支えるV字型の支柱と、細長い曲線デザインの垂直尾翼を特徴とした。標準武装は仏軍のヴィッカース同調機銃1挺と、英国軍のフォスター銃架によって上翼に置かれたルイス機銃1挺。1917年の初飛行と同時に製造が始まり、仏のほか英国、ロシア帝国/ソビエト連邦、米国、日本へと輸出。当機を1917年（大正6年）に輸入した日本では二式24型戦闘機と呼称し、1921年（大正15年）には甲式三型戦闘機と改名されている（Wikipediaより抜粋）。

ユージン・ジェームズ・ブラード（Eugene James Bullard）。1895年、米国ジョージア州生まれのアフリカ系アメリカ人。1906年に英国から仏へ渡り1914年10月19日に仏外人部隊に入隊。19歳の時に第一次世界大戦に従軍、ソンムやシャンパーニュの戦いで第170歩兵連隊に所属し参戦、1916年3月のヴェルダンの戦いで負傷。同年10月に仏陸軍の一部であった仏陸軍航空部隊に志願、砲手からパイロットになる。第一次世界大戦中は20回ほどの空中戦を行う。1959年、シャルル・ド・ゴール大統領（当時）より仏最高勲章であるレジオン・ドヌール騎士を授与される。ブラードにはジミーという名前のアカゲザルのペットがおり（写真右、機体の上）、彼はジミーと共に頻繁にニューポルト24戦闘機で飛行したという。機体に書かれたスローガンは「すべての血は赤く流れる」。なお、彼を含めた第一次世界大戦時の戦闘機パイロットの物語は、2006年に『フライボーイズ（Flyboys）』という題名で制作されている（制作国：米国、監督：トニー・ビル、出演：ジェイムズ・フランコ、ジャン・レノ）。ユージン・スキナーという役名がブラードである。