2022 New Model ｜ ULYSSE NARDIN
2022年ユリス・ナルダン新作　ブラストムーンストラック

【編集顧問田中克幸ピックアップ】

　太陽の可視軌道と月のサイクルを可能な限り再現した新作「ブラストムーンストラック（BLAST MOONSTRUCK）」。当作はルートヴィヒ・エクスリン氏が1983年から1992年にかけて製作した「天文時計三部作」を継承するモデルで、ダイアル上の表示を理解しやすくするため地動説（地球を中心とした天体運行）を基にした設計だ。この点から見ると三部作中「テリリウムヨハネスケプラー」の継承モデルと言えよう。複雑系ながら分かりやすい太陽と月の運行を可能にしたのは自社設計・製造の自動巻きムーブメントCal.UN-106。複雑機構でもなるべく少数の部品で構成された当作は“複雑でありながらシンプルに”というエクスリン氏の基本信念に基づいている。

BLAST MOONSTRUCK
ブラストムーンストラック
Ref：1063-400-2A/1A
ケース径：45mm
ケース素材：ブラックセラミック×ブラックDLCチタン
防水性：30m
ストラップ：ブラックアリゲーター
ムーブメント：自動巻き、Cal.UN-106(自社製)、毎時28,800振動(4Hz)、パーツ数335個、42石、約50時間パワーリザーブ
仕様：時・分、日付表示、ムーンフェイズ、太陰月の日、潮汐係数、ワールドタイム、デュアルタイム、地球から見た太陽と月の位置表示
予価：9,515,000円(税込)
発売予定：2021年6月

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地動説的なアプローチにより北極から見た3Dの地球をダイアルの中心に設置。それを覆うドーム型サファイアクリスタルの周囲は18Kローズゴールドリングの日付ディスクを配置。また都市名を刻印した外周部の固定インナーベゼルと、その内側には12時に太陽を刻印した24時制の時刻表示を配置する。

ルートヴィヒ・エクスリン（Ludwig Oechslin）／1952年イタリア・マルケ州のガビッチェ・マーレ生まれ。1976年にバーゼル大学で考古学、古代史の学位を取得、1983年にベルン大学で哲学、理論物理学、天文学の博士号、1995年にはスイス連邦工科大学で技術考古学を取得。さらにヨルク・シュペーリング氏の元で見習い中にアストロラーべを製造。分野を横断する頭脳はまさに現代のレオナルド・ダ・ヴィンチを地で行く“知の巨人”である。実際にお会いするとその非常に控えめな個性に静かながらも圧倒的なオーラを感じる。