
労働集約型の典型である時計産業だが、少量生産を貫くのであれば、人数は少なくてもいい。素晴らしいアイデアを思いつく人と、それを時計機構へと具現化できる有能なエンジニアがいれば、あとは無数ものサプライヤーとの協力体制からでも、素晴らしい時計を作ることは可能だ。
時計業界で輝かしい実績を残してきたヴァンサン・ペリアール(写真左)と イオン・スキアウ(写真右)を中心に、投資家、財務担当など6名のプロフェッショナルが集まって生まれたのが「HYT」。
彼らは液体によって時刻を表現するというユニークなアイデアを考案した。水で時刻を示す機構自体は、例えば日本や中国で作られた「漏刻」など、時計黎明期から存在した。しかし、それを腕時計に搭載してしまうのがポイント。
ジュネーブ市内の高級ホテルで行った小さな商談会を行っていた彼らは、終始笑顔のままだった。それだけ製品に自信があるということなのだろう。