Gressive Premiumパテックとジュルヌ、オーデマ ピゲ……“時計芸術”を極めた作品が上位を占めた2021年第9回「オンリーウォッチ」in ジュネーブ 02

ドゥ ベトゥーンとカリ・ヴティライネンという奇想の時計人達によって生み出された「Kind of Magic（カインド・オブ・マジック）」。独立したふたつの時計製造方法で生み出された完全なリバーシブルウォッチ、とスイスの資料に記されているが詳細は不明。時計写真の代わりに両者共同作業のイラストが存在するのみ（左がカリ・ヴティライネン氏で右はおそらくドゥ ベトゥーンのデニス・フラジョレ氏）／自動巻き、自社設計・製造Cal.OW21、デュアルディスプレイダイアル（表と裏）、デッドビートセコンド、二重香箱、4日間パワーリザーブ。チタニウムケース（グレード5）、ケース径43.3mm。

垂直方向に流れる大胆なコート・ド・ジュネーブ装飾が施された、完全シンメトリック構造の手巻きムーブメントCal.RRCC II。ブザンソン天文台認定。ケースは2017年に引退した著名なケースメーカー、Jean-Pierre Hagmann氏がAKRIVIAの熱烈な要望により特別に製造。

MB&Fとの共同開発（2020年）によるフライング・トゥールビヨンの自動巻きムーブメントCal.HMC 810搭載。当ムーブメントは円筒形ヘアスプリング内蔵の三次元構造を持つことから、ドーム型腕時計という特殊なタイムピースが完成した。ムーブメントの奥行きを強調するため、ダイアルには軍事装備のステルス性強化等に使用される漆黒のVantablack®（ベンタブラック®）を採用。近年、H.モーザーの名を高らかにしたこれらふたつの要素を、2020年の発表と同時に話題沸騰となったストリームライナーに収めたスペシャルピースが「ストリームライナー・シンドリカルトゥールビヨン オンリーウォッチ」である／自動巻き、自社製造Cal.HMC 810、フライング・トゥールビヨン、21,600振動/時、パワーリザーブ約72時間。ステンレススティールケース、ケース径40.0mm。

ステンレススティールケースとブレスレットに特殊なエイジング加工を施すことで、歴史を刻んだかのような船体を想起させる「ブラックベイ GMT ワン」。15,000ガウスの高耐磁性能を持つ自社設計・製造の自動巻きムーブメントCal.MT5652は、METAS（スイス連邦計量・認定局）認定のマスター クロノメーターである／自動巻き、自社設計・製造Cal.MT5652、GMT、28,800振動/時、パワーリザーブ約70時間、マスター クロノメーター。ステンレススティールケース、ケース径41mm、200m防水。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー症を知るMB&F創設者のマキシミリアン・ブッサ氏が、ブランドとして第6回目の出品となる2021年のオークションに選んだモチーフが“パンダ”。「HM10 Panda for Only Watch（オロロジカルマシーン10 パンダ フォー オンリーウォッチ）」は、病で苦しむ子供達が笑顔になることを祈って製作。これは2020年の新作「HM10 Bulldog（オロロジカルマシーン10 ブルドッグ）」の改訂版とも言え、ケースがパンダの胴体で6時位置のドーム部が頭（その上部には両耳が立っている）、4つのラグは足を模しており、腕にはめると小さなパンダが着用者側へ頭を向けて手首に座る姿勢となる／手巻き、自社設計・製造ムーブメント、18,000振動/時、パワーリザーブ45時間。ステンレススティール（上部）＆チタニウム（下部）ケース、ケースサイズ縦54×横45×厚さ24mm。

アルゼンチン出身のモダン・ビジュアルアーティスト、フェリペ・パントンとのコラボレーション「デファイ ダブルトゥールビヨン フェリペ・パントン」。2021年春に発表の「デファイ エル・プリメロ21」にインスパイアされたモデルで、大胆な幾何学模様と色彩が腕時計をモダンアート・オブジェへと変貌させた。30分積算計（3時）やトゥールビヨンの上下ふたつのブリッジ（時計左側）に採用されるレインボーグラデーションカラーが印象的だが、特に稲妻型デザインの時分針は46mmの大型ケースにひと際個性を与える存在だ／自動巻き、自社設計・製造ムーブメントCal.El Primero9020、ダブルトゥールビヨン。サファイアクリスタルケース、ケース径46mm。