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NORQAINスイス・ツェルマットでノルケインが発表した話題の新作「ワイルド ワン」の魅力に迫る 02

J.C.ビバー氏とベン・カッファー氏が語る
「ワイルド ワン」開発の背景

「ワイルド ワン」ローンチ・イベントの翌日、我々のために時間をさいてインタビューに応じてくれたJ.C.ビバー氏(左)とベン・カッファー氏(右)

「ワイルド ワン」ローンチ・イベントの翌日、我々のために時間をさいてインタビューに応じてくれたJ.C.ビバー氏(左)とベン・カッファー氏(右)。これまで“サプライヤー(部品供給業者)”とされてきた部品製造会社を“戦略的パートナーファクトリー”と紹介したことについてビバー氏はこう説明する。「それは透明性のため。すべてをきっちり見せることが重要な姿勢だ。それが我々のコンセプトであり、パートナー企業をちゃんと知らせることは、我々の独自性を伝えるための大切なことだ」


 驚きと興奮に満ちたローンチ・イベントの翌日、我々、日本からの取材班はノルケインCEOのベン・カッファー氏と経営顧問J.C.ビバー氏へのインタビューの時間を持つことができた。そこでまず聞きたかったのは、ビバー氏がカッファー氏に最初に会った時、どんな印象を持ったのかということだ。


「まず、彼はダイナミックで革新的、熱意のある人だと思ったね。そして実際に話してみると、彼の情熱が時計に向かっていることを確信し、それが自分のためだけじゃなく、他者にも向かっていると感じたんだ。これがとても大切だ。

 しかも彼は若いし、とても強い。さらに『ノルケイン』というブランドネームは、成功を意味していると強く感じた。だから私は、彼と一緒に仕事をすることで、より良い成功にたどり着けると確信した。

 それに私はすでに70歳を越えているけど、ベンとは非常に強い結びつきを感じ、彼には私の知識と協力が必要だし、私も今まで50年にわたって時計界で積んできた経験をすべて彼に伝えたいと強く思った。つまり、私は彼の情熱に協力したいと思ったんだ」(J.C.ビバー氏)


 このふたりの情熱から誕生したのが、今回の新作「ワイルド ワン」というわけですね。


「ビバーさんは『ワイルド ワン』の最初の製品を見て『イーブンベター』、つまり『想像していたのより、ずっと良いね』と思ったといいます。しかし、それは非常に厳しいタイミングでした。なにしろ最初の製品は、このイベントのほんの一週間前に完成し、最終モデルをローザンヌのビバーさんの自宅に、私自身が、このボックスに入れて持っていったんですからね」(ベン・カッファー氏)


「ああ、それはまるでバーゼルみたいだったね。かつてのバーゼルでは、木曜の朝にオープンするっていうのに、時計が前日の水曜の深夜に完成するなんてことが普通だった。まぁ、よく考えると普通じゃないけど、いつもそんなものだったよ」(ビバー氏)

「すべて変えよう! でもアイデンティティは守る」
それがビバーさんの最初の提案でした

カッファー氏

「これまでノルケインの製品は5000スイスフランが上限でしたが、『ワイルド ワン』はこれを越える価格帯にあり、新たなポジションにある製品です。その意味で、現時点は『ワイルド ワン』がノルケインのフラッグシップといえるでしょう。そして我々はモノモデルをアイコニックピースとして長期的に継続させたいと考えています」(カッファー氏)


 それだけ「ワイルド ワン」の開発には想定以上の時間が必要だったということだが、その開発のスタートはどんな感じだったのだろうか?


「新作開発の最初のミーティングで、ビバーさんは、こう言ったのです『すべてを変えよう! しかしノルケインであることはキープしなければならない。クラウンガード、ケースのスタイルは『インディペンデンス』のアンデンティティを継承しよう。もちろんノルケイン・プレートも継承しよう!』ってね」(カッファー氏)


「なぜなら既存モデルの『フリーダム』や『アドベンチャー』は、新作のベースとして最適だと感じたからです。非常にソリッドなベースであり、将来に向けて最高のプロダクトを作っていくための基盤になると考えたのです」(ビバー氏)


「そしてビバーさんは、いつもミーティングで『まだやってないことはなんだ?』と聞いたのです。それは常に新しいチャレンジを求めているということ。部品を作るファクトリーも同様で、ビバーさんは彼らにも、常にスペシャルであることを求めています。それが結果として『ワイルド ワン』の高機能や装着感の良さにつながったのです」(カッファー氏)


 たしかに既存モデルのスタイルを継承しつつ「ワイルド ワン」には新素材が大胆に導入され、機能性はもちろん、軽さや装着感がアップグレードされていると感じる。


「時計の快適さとは、究極、時計を感じないことだ。時計を腕に着けているのに、まるで何も着けてないかのように思えることなんだ」(ビバー氏)


「たとえば子供と遊ぶとき、時計がゴツゴツ当たったりすることがありますが、『ワイルド ワン』なら日常的に着用する時計としても完璧です」(カッファー氏)

新素材ノルテックとコンテナ・コンセプトが
「ワイルド ワン」高機能の秘密

「最初の製品はローンチ・イベントの一週間前に完成し、その最終形を私がこのボックスに入れ、ローザンヌのビバーさんの自宅まで持っていったんです」(カッファー氏)

「最初の製品はローンチ・イベントの一週間前に完成し、その最終形を私がこのボックスに入れ、ローザンヌのビバーさんの自宅まで持っていったんです」(カッファー氏)


 もちろん、ラフでワイルドなアウトドアでの活動にも「ワイルド ワン」は最適なモデルだ。その高い耐衝撃性を実現したのが“コンテナ・コンセプト”だ。


「『ワイルド ワン』には、コンテナ・コンセプトが採用されています。これはチタン製のコンテナにムーブメントを格納し、それをラバーのショックアブソーバーで包むことで、耐衝撃性を持たせたのです。このコンテナ・コンセプトは、多くのバリエーションを生み出すことが可能です。たとえば違うカラーのケースを、そこに嵌め込むことができますから」(ビバー氏)


「我々はスーパーライト(超軽量)で耐久性が高いことを目指してケースシェイプを作りました。また、ラバーのショックアブソーバーは職人が手仕上げしていますが、それによって微妙なニュアンスを作ることが可能です。もちろん、軽くて耐久性が高いことはアスリートに対して有利です」(カッファー氏)


 ビバー氏とカッファー氏が説明するように、チタン製コンテナ、ラバーのショックアブソーバー、ノルテック製ケースという構造が「ワイルド ワン」の軽さ、強さ、カラーリングの秘密となっている。そして外殻となるケースに着色することで、多彩なバリエーションが生み出せることも大きな特徴だ。


「ノルテックは非常に強くて鉄のようです。しかもフレキシブルで、なかなか割れませんし折れません。どんなことがあってもムーブメントを守る。それがコンテナ・コンセプトの機能です。このコンセプトに『ワイルド ワン』の独自性と革新性があります。

 試しに『ワイルド ワン』の8時と10時のところを指で押してみてください。実際に、ラバー製のショップアブソーバーが機能して、衝撃を抑えていることがわかるはずです」(カッファー氏)


「ただ、ノルテック自体は真っ黒な素材なので、単純に別の素材を加えても、その色にはならないのです」(ビバー氏)


「私はケースメーカーであるBIWIのパスカルさんには、通常ならブラックしか発色しないカーボンに異素材をミックスすることで、違う色の素材を作って欲しいと伝えました。こうしてできあがったのがノルテックです。塗装やコーティングではなく、カーボンに異素材を混ぜることで素材自体に色を付ける、これがノルケインの『ワイルド ワン』ならではの機能です。

 カラーバリエーションについては今後、新しい素材と混合できるかにかかっています。新作を見た方は皆さん、『違うカラーを作ってくれ』と言います。もちろん、それは可能ですが、私は単純にたくさんのカラーバリエーションを作るつもりはありません。できる限り素材のニュアンスにあったカラーにしたいと考えています」(カッファー氏)


“無闇にカラーバリエーションを増やすつもりはない”とカッファー氏は言うが、今後の展開が非常に楽しみな「ワイルド ワン」。その可能性の高さも、この新作の魅力である。 




協力:ノルケイン・ジャパン / Thanks to:NORQAIN JAPAN


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〒1070062 東京都港区南青山4-18-11フォレストヒルズ イーストウィング2F
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