アベニュー・ドゥ・タンを散策し、目に留まるブランドがあったら、そのままショールームに足を踏み入れ、2階から4階、または地下1階で展開するブティックを覗いてみるといい。ショールーム機能を兼ね備えたガラス張りのエレベーターは各ブランドブティックへと直行。ゆっくりとしたエレベーターの動きは、時間がいつもよりゆっくりと流れているように感じられるはずだ。

　 ニコラス・G・ハイエック センターで展開されているのは、7ブランドのブティック。4階にはブランパン、グラスヒュッテ・オリジナル、ジャケ・ドロー、ロンジン、3階にはブレゲ、2階にはオメガ、そして地下1階にはスウォッチ。いずれもグループを代表するブランドだ。

　 ブティックならではの充実したラインナップもさることながら、各ブランドの世界観を堪能できる内装も、眺めていて楽しい。気になったブランドをじっくりと吟味するのもいいが、他のブティックに足を伸ばしてみるのも、ブランドのカラーの違いが感じられ、発見があるかもしれない。

　 ビルの5階から7階を占めているのが、カスタマーサービス。5階はオメガ専用のカスタマーサービスフロア。6階はブレゲ、ブランパン、グラスヒュッテ・オリジナル、ジャケ・ドローを扱うプレステージブランド カスタマーサービス。そして7階はロンジン、ラドー、ティソ、ミドー、ハミルトン、カルバン・クライン ウォッチといったハイ＆ミドルレンジ専用のカスタマーサービスと、3つのフロアに分類されている。

　 ここはスウォッチ グループが展開するブランド（スウォッチを除く）のアフターサービスが受けられる場所。オーバーホールを中心とした総合メンテナンスから、不具合個所の修理や外装の分解・洗浄、精度調整、防水検査といった作業をパッケージングしたベーシックパーシャルサービス、さらにはストラップ／ブレスレットの交換＆メンテナンスまで、内容は充実している。

　 もちろん、カスタマーサービスの各フロアも開放的な空間。メンテナンスを依頼しに来ただけなのに、つい長居したくなるような心地よさだ。とりわけ印象的なのが、オメガ カスタマーサービスのある5階に広がる、時の楽園をコンセプトとした「ジャルダン・ドゥ・タン」。アーティストの望月勤氏が手掛けた巨大なキリンの木製オブジェが目を惹く、時と自然が調和した心安らぐ空間だ。