ラ・ショー・ド・フォンの工房と共同で開発されたオリジナル・ムーブメント「MV8802」。そこには「SWISS MADE」の文字が刻まれる。
デビューコレクションの「クアトロヴァルヴォレ」はやがて市場から姿を消すことになるが、このモデルに込められたメカニケ・ヴェローチの思想は、しっかりと次世代モデルへと引き継がれた。新モデルは「ICON(アイコン)」。フラッグシップモデルを表現するうえで、これ以上ないネーミングだ。
クアトロヴァルヴォレと、その後継として2015年に誕生したICONは、独創の意匠を機能させるべく、ひとつのケースに独立した4つのムーブメントを搭載していた。しかし、2017年のバーゼルワールドで発表されたICONはこのシステムを一新。アイコニックなルックスはそのままに、機構は飛躍的な進化を遂げたのだ。
新しいICONに搭載されているムーブメントは「MV8802」。メカニケ・ヴェローチとラ・ショー・ド・フォンの時計工房との共同開発によって誕生したオリジナルで、その革新性はひとつのムーブメントで4つのダイアルを駆動する点にある。これにより、ユーザビリティはもちろん、メインテナンス性の大幅な向上にも寄与したわけだ。
もちろん、クオリティを高めたのはムーブメントばかりではない。たしかに、肉厚なケースと4ダイアルのアイコニックなルックスはデビューコレクションを踏襲してはいるものの、ケースやリューズの質感は高められ、さらにダイアルのデザインについてもメカニケ・ヴェローチらしい遊び心はそのままに、質感を上げたことで、上品さと落ち着いた雰囲気を感じさせるタイムピースへと昇華した。
「モータースポーツへの情熱とイタリアの遊び心」を融合させたファースト・ステージをベースとしながら、2019年春、メカニケ・ヴェローチは新生ICONによって「イタリアのマインドとスイスのクオリティ」を融合させた次のステージで疾走を開始する。
新しいICONではダイアル細部のデザインをブラッシュアップし、上質で落ち着いた雰囲気に仕上がっている。
シリンダーヘッドに着想を得たケースはかなりの厚みだが、素材にチタンを採用することで装着感は良好。インダストリアルな雰囲気と上品さがミックスした仕上げも美しい。
スイスメイドのレザーストラップに加え、バックルはディプロイメント方式を採用するなど、トータルでのクオリティアップが図られている。
取材・文:竹石祐三 / Report & Text:Yuzo Takeishi
写真:江藤義典 / Photo:Yoshinori Eto
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