いうまでもないが、G-SHOCKというのは“カジュアルウォッチ”であり、中心価格帯は３万円前後である。そのような状況にもかかわらず10倍以上も高額なプライスをつけているのが、G-SHOCKの最高峰コレクションである「MR-G」だ。

• 「MR-G」には、カシオのモノ作りの哲学が集約されている。フルメタルウォッチであるが耐衝撃性能に優れ、チタン製のケースとブレスレットには深層硬化処理とDLC処理を施して、金属パーツの美しさをいつまでも保つことでも、G-SHOCKらしいタフさを表現している。
• 艶のある黒いブレスレット。この美しさが維持される。

　さらにはケースやブレスレットはザラツ研磨で磨いており、風防には硬度が高くて透明感に優れるサファイアクリスタルを使用する。これは高級機械式時計でも用いられる素材や手法だ。もちろんGPS電波や標準電波を使った高精度技術も完備しており、“品質と精度”という点では十分に高級機械式時計のライバルといえるだろう。

しかしそれだけでは、“ラグジュアリーな時計”とはならない。人の気持ちを揺さぶり、興奮させ、恋に落とすだけのパッション（＝情熱）が無ければ、素晴らしい時計だと評価されない時代なのだ。