錨マークをシンボルとするユリス・ナルダン(Ulysse Nardin)は、19世紀、航海用時計であるマリンクロノメーターの製造を手がけていたことで有名になったウォッチブランドである。1983年から現社長であるロルフ・W・シュニーダーが経営を担うようになってからも、精度追求にかける情熱はそのまま継承され、現在もクロノメーター取得モデルを数多く輩出している。
2009年のバーゼルワールド発表の最新作にも、やはりクロノメーター取得モデルが続々とエントリー。そのひとつが、ユリス・ナルダンの新しい定番になるであろう、旧モデルからサイズアップした3針モデル「クラシコ」である。豊富なバリエーションをもつ同シリーズの中でも、ブルーエナメルとギョシェ彫りが組み合わさったダイヤルは、とりわけ美しく艶かしい。
また高度な技術力が惜しみなく投入された、ダイバーズ陣にも注目したい。「アクアパーペチュアル リミテッドエディション」は、見た目のタフさとは裏腹に、ビッグデイト、永久カレンダーという複雑機構を搭載した、精妙さを極めたモデル。ほかにもオレンジ×シルバーダイヤルがエネルギッシュな、チタン製ダイバーズ「マキシマリーン ダイバー チタニウム」などもエントリーした。
そして腕時計以外のトピックとしては、なんとユリス・ナルダン製のスマートフォン「チェアマン」が開発されたという、驚愕のニュースが。裏側には自動巻時計さながらのローター(回転錘)、側面にはクロノグラフのプッシュピースのようなものを装備。メカニカルと融合したガジェットとは一体どんなものか。まだ詳らかでないが、続報が入り次第、当サイトGressiveで取り上げたい。