2019 New Model ｜ ULYSSE NARDIN
2019年ユリス・ナルダン新作　フリーク X

【ライター竹石祐三ピックアップ】

　2001年に誕生した「フリーク（FREAK）」は、脱進機を搭載した分針――つまり針型のムーブメントが1時間に1周することで重力の偏りをキャンセルする“カルーセル”機構を備えたコレクション。2018年発表の「フリークビジョン」ではムーブメントがついに自動巻きとなったことに加え、ルックスもモダナイズしてこのコレクションの先進性をアピールしたが、続く2019年は新たなモデルを追加してラインナップの強化を図っている。その新作「フリーク X（FREAK X）」では、サイズを従来の45mmから43mmに小径化。さらにこれまではベゼルで行なっていた時刻調整をリューズにすることで、“フリークコレクションの入り口”として位置付けている。ケース素材は4種類で展開されるが、なかでも軽量で耐久性の高いカーボニウムを採用したこのモデルは、よりフリークコレクションの先進性が感じられる1本と言えるだろう。

【ライター篠田哲生ピックアップ】

　分針にテンプを融合させた独自機構フリークは、“複雑機構を美的表現として楽しむ”という現在のトレンドを生み出した原点である。ユリス・ナルダンではこの機構を17年も作り続けることでデザインを洗練化させ、しかも製造コストも軽減させた。その結果、驚きの価格帯を実現。時計愛好家を驚愕させたフリークがこの価格で手に入るとは奇跡的である。

FREAK X
フリーク X
Ref：2303-270/CARB
ケース径：43mm
ケース素材：Carbonium®（マット仕上げ）
防水性：50m
ストラップ：ブルーアリゲーター
ムーブメント：自動巻き、Cal.UN-230、72時間パワーリザーブ
仕様：オープンムーブメント（文字盤無し）ムーブメントの軸周りを回転するフライングカルーセルバケットムーブメント
予価：2,780,000円（税抜）
発売予定：2019年6月