すっかりウォッチブランドとしての貫禄がついてきたモンブラン(Montblanc)。スイス時計産業の中心地ル・ロックルにある自社工房は、規模を拡大して生産体制を更に強固にしつつあるという。
では、モンブランの強みはどこにあるのだろうか?
まずは高級万年筆ブランドとして創業した1906年から続く、プロダクトブランドとしての蓄積がある。さらに数々の文豪に愛されてきたという知的なイメージ。そして条約調印式のような特別な場所で使用されてきたというステイタス性も、「モンブラン」という看板自体に格を与えている。
このような背景から生まれたモンブランの時計が、主にビジネスマンから支持されるのは当然だろう。かつてはモンブランの万年筆は男性の憧れであり大人の証明だったが、そこにモンブランの腕時計が加わったということなのだ。
モンブランが持つ「知的」なイメージと呼応するように、2013年の新作モデルたちも手堅い本道路線のラインナップが目立った。
傑作万年筆「マイスターシュテュック(MEISTERSTÜCK)」の重厚さを時計に投影させた「スター(STAR)」は、紳士の小物としての品格を楽しむクラシックウォッチを発表し、モダンな万年筆「スターウォーカー」の世界観を共有する時計「タイムウォーカー(TIMEWALKER)」では、世界を相手に戦うビジネスマンをサポートする時差調整機能に力を入れている。
更にオリジナリティあふれる自社ムーブメントモデル「ニコラ・リューセック(NICOLAS RIEUSSEC)」には、回転ディスクでナイト&デイ表示を行う新機構を開発し、全方位で抜かりないモデルラインナップを揃えてきた。
危なげない手堅い姿勢も、ビジネスマンにとっては「安心感」につながる。モンブランの格は、更に盤石となっているようだ。