ブースの周りにしつらえた42のケースで各年代におけるタンクの変遷を展示したカルティエ(Cartier)。そう、この2012年は、まさに「タンクイヤー」であり、注目すべき新作が多数投入された。
このタンクイヤーにおける合い言葉が「NEVER STOP TANK」。20世紀初頭にデザインされ、100年以上に渡って愛され続ける時計界のスタンダード・モデルに新たな解釈を加えて誕生したのが、「タンク アングレーズ ウォッチ LMWG( Tank Anglaise Watch)」。これは特徴的なタンクの縦枠の中にリューズを納め、ブレスレットと一体化した滑らかなフォルムは、より一層、かつてルイ・カルティエが描いていた理想の“タンク”へと近づき、エレガントさを極めている。
そして怒濤のタンクに加え、カルティエが現在、非常に重視しているのが、多彩な工芸技術を駆使して生み出される「カルティエ ダール(Cartier d'Art)」コレクションである。2011年には亀を表現したモデルが話題となり認知度が高まっているが、2012年も、さまざまなモデルが登場した。コアラをモチーフとするパイユ(麦わら)を使ったマルケトリーや、真珠母貝のグラデーションとエナメル技法を合致させたオウムのモデルなどが登場。さらに伝説の技法「グリザイユ エナメル」によるタイガーや、「ストーン モザイク」による躍動感溢れるホースが登場した。
もちろん、オートオルロジュリー・コレクションにも新作が多数、登場。アニュアルカレンダーのモデルやフライングトゥールビヨンなど2つの新型キャリバーが新たに開発され、鉄壁のラインナップを誇っている。