先行き不透明な経済事情もあって、より幅広いユーザーの興味をそそるように、コンサバティブな時計が多く発表されているここ数年のSIHH。
その中で独特のポジショニングを築いているのが、ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)だ。
パリを代表するハイジュエラーという背景をベースとする美しい時計たちは、ポエティック コンプリケーション(Poetic Complication)というコンセプトのもとに生まれている。
時刻表現に独特な詩的表現を投影させることで、時計以上の価値を創造するヴァン クリーフ&アーペルの時計たち。嗜好品としての時計、工芸品としての時計を追求する彼らの姿勢は、SIHHを訪れるジャーナリストたちからの評価も高い。
ポエティック コンプリケーションには毎年テーマがある。
2011年はフランスを代表するSF作家ジュール・ヴェルヌがそのモチーフ。彼が作りあげた奇想天外な世界を時計に投影させてきた。
「レ ヴォワヤージュ エクストラオーディネール(Les Voyage Extraordinaire)」は、ジュール・ヴェルヌの代表作である『気球に乗って5週間』『海底2万マイル』『地底旅行』『月世界旅行』をテーマにした4本セット。「ミッドナイト ヴォワヤージュ エクストラオーディネール 気球に乗って5週間(Midnight Voyage Extraordinaire “FIVE WEEKS IN A BALLOON”)」は、ふたつのレトログラードを使用する同社が得意な機構を利用した物語性の高い時計だ。
さらにその気球の上から見かけた動物たちの光景も「エクストラオーディナリー ダイアル」として時計上で表現している。
ひとつのテーマからどんどん広がり、夢のような詩的な世界が時計の上で繰り広げられるポエティック コンプリケーション。その存在は更に貴重なものになるだろう。