ヒゲゼンマイからケース、文字盤に至るまで、自社とそのファミリー企業で開発・製造する能力を持つマニュファクチュールであるパルミジャーニ・フルリエ(PARMIGIANI FLEURIER)は、2011年のSIHHにおいて、三針のシンプル・ウォッチと共に、ブガッティのラインに驚きの新作を発表した。
まずはそのシンプル・ウォッチの「トンダ 1950(Tonda 1950)」だが、極めてクラシカルなラウンド・ケースの薄型モデルとなっている。これに搭載されるムーブメントは、パルミジャーニ・ファミリーが一体となって開発した「Cal.PF 700」。その美しい仕上がりには、さすがマニュファクチュールと唸らされる。
一方、名車ブガッティとコラボレーションして生まれた「ブガッティ スーパー スポーツ(Bugatti Super Sport)」は、地板に対して直角の位置に文字盤を設置するという驚くべき着想を実現化したモデルとして、大きな話題を提供した。
かつてパルミジャーニは、2004年に発表した初代のブガッティ・モデルで、水平に設置した軸に輪列機構を設置し、ムーブメントを腕から垂直に立ち上げた構造を考案したが、今回の新作は、これとはまた異なるアプローチによって、時計構造の新たな可能性を提示したのである。
これによって生まれる恩恵は、自動車をドライブする際に、手首をひねることなく時刻の確認ができるということ。過去、ドライバー用の腕時計というものはいくつも存在したが、この「ブガッティ スーパー スポーツ」は、その究極のモデルと言えるだろう。