ヨーロッパ最大級の時計販売店「ブヘラ」をルーツに持つ時計ブランドという背景もあって、ラグジュアリーウォッチの一角として高く評価されている『カール F. ブヘラ(Carl F. Bucherer)』。
ブースのデザインやインテリアもセンスがよく、アッキーレ・カスティリオーニの照明やミース・ファン・デル・ローエの家具を使って、高級ホテルのサロン風に仕上げている。
機械式時計とは実用品でありながら雰囲気やロマン、ストーリーを楽しむモノだ。そしてそのイメージを伝えるためには、上質な空間が必須であるという考え方は、名門時計店としての経験から生まれたものだろう。
時計を取り巻く環境の良さもまた、カール F. ブヘラのステイタスを高める上での大きなアドバンテージになっている。
2011年のバーゼル・ワールドにて発表された新作で、最もトピックスだったのが、自社ムーブメントCal.CFB A1000を搭載する旗艦シリーズ『パトラビ エボテック(Patravi EvoTec)』に新展開があったこと。
これまではクッションケースを使用した迫力あるデザインも魅力だったが、今回発表した『パトラビ エボテック カレンダー(Patravi EvoTec Calendar)』は、シンプルなラウンドケースを採用することで、さらに幅広い層に訴求する時計となった。
もちろんCal.CFB A1000ならではの独特のレイアウトバランスや、環状のペリフェラルローター、さらに独特の模様を入れたムーブメントプレートは健在。バリエーションの増加は、確実な進化の証拠である。