バーゼル・ワールドの会場はいくつかのホールに分かれている。メインとなるのはホール1で、一階にはスウォッチ グループやロレックス、パテック フィリップなどのビッグネームがブースを構える。ホール1の3階(2階は踊り場のみ)には、カジュアル系のブランドが多く、ブースも色とりどりだ。
ホール5には独立時計創作家協会などマニアックなブランドが多く、ブルガリ グループが陣取るホール4はラグジュアリー系の時計ブランドが入っている。
「オートランス(HAUTLENCE)」という聞き慣れない時計ブランドもホール4。スイス時計産業の中心地ニューシャテルで2004年に創業され、ブランド名はNEUCHÂTEL(ニューシャテル)の文字を並び変えたものだ。
現在のスタッフは6名だが、それ以外に36もの外部提携メーカーと繋がることで、ハイエンドな時計を作り出している。
彼らの時計は"独創的な時刻表示"が特徴。ジャンピングアワーとレトログラードミニッツを使って、バリエーションを作り出している。第一弾として登場したシリーズは「HLコレクション」と呼ばれ、クラシックなモデルは「HL C」」、スポーティなモデルは「HL S」、カレンダー付きのモデルは「HC Q」という様にモデル名を区分。これらのモデルは全て88本の限定品として製作される。
そして2010年のバーゼル・ワールドでは、新たなコレクションとして「HL 2.0」(写真)というモデルも登場した。現在はまだ試作段階ではあるが、巨大なレクタンギュラー・ケースにはジャンピングアワーとレトログラードミニッツが収まるが、ジャンピングアワーは時刻の書かれたチェーンが回転する仕組みで、輪列は直線上に並んでいる。年末までの完成を目指しており、ホワイトとローズのゴールドケースが各28本のみ作られる予定である。
取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:堀内僚太郎(Storm) Photos:Ryotaro Horiuchi(Storm)
※表記は2010年7月現在のものになります。