2008年からバーゼル・ワールドに復帰したカシオ(CASIO)。ブースを設営するのは、メイン会場であるメッセ内ではなく「パレス」と呼ばれる大型テント。バーゼル・ワールド特有のざわざわした雰囲気とは無縁であり、広々としたスペースの中で、落ち着いて時計を見ることができる。
2010年もG-SHOCKを中心にオシアナスやエディフィス、プロトレックなどを紹介。ハイテク技術を駆使する実用時計として、ヨーロッパでの認知が進んでおり、商談に訪れる外国人バイヤーたちでブース内は毎日混雑していた。
バイヤーたちで賑わうもうひとつの理由が、G-SHOCKカルチャーの世界的広がりだ。我々は既にG-SHOCKにどのような歴史があるのかを知っているが、まだまだ世界規模での認知度は低い。それを覆すために世界各地で行うクラブ・イベント「SHOCK THE WORLD」が好評なのだ。
「SHOCK THE WORLD」はニューヨーク、ロンドン、ホンコン、パリなど全世界で行われているクラブ・イベントで、現地のミュージシャン(ニューヨークではカニエ・ウェスト登場!)やクリエイター、ファッション・ブランドなどを組んで行っており、時計の紹介はもちろん、ユースカルチャーとリンクする"時計を超えた存在"G-SHOCKの魅力を伝えている。
このイベントの成功によってG-SHOCKの知名度は急上昇中。全世界的に品薄状態になっているようだ。さらにパリではイベントの後から、大手百貨店などからの問い合わせが殺到し、カシオ商品の取扱店も急増したという。
欧米でのG-SHOCKは、アニメやファッションなどと同じく「ジャパン・カルチャー」の一種として捉えられているらしい。今後はこの勢いを継続させながら、世界的ブランドへと成長させることが重要になるだろう。
取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:堀内僚太郎(Storm) Photos:Ryotaro Horiuchi(Storm)
※表記は2010年5月現在のものになります。