ローマのラグジュアリーブランド「ブルガリ(BVLGARI)」は、2000年からグループ化を進め、既に功なり名を遂げていたケースやダイアルの会社を傘下に収めることで"グループ・マニュファクチュール"を完成させた。
その大きな結果が、ブランド創業125周年となる2009年に登場した「ソティリオ・ブルガリ(Sotirio Bulgari)」だったのは、記憶に新しいことだろう。 この流れは2010年も継続中だ。今年の特徴はプレーンなモデルにも自社製ムーブメントを搭載すること(昨年はモジュールのみ自社製だった)。
キャリバーBVL168 は、センターセコンドの標準的なレイアウトで、ムーブメントのサイズも直径25.6×厚さ4.75oと小型で薄い。なぜ敢えて"普通のムーブメント"を作ったのか? それはキャリバーBVL168を、今後のブルガリのベース・ムーブメントにするという意味深い計画があるからである。
ブルガリはまた一歩「ウォッチメーカー」として歩を進めた。2010年はブルガリにとって大きなターニングポイントとなる特別な一年になることだろう。
2010年のブルガリは、もうひとつ新しいトピックがあった。それは傘下のダニエル・ロート(DANIEL ROTH)とジェラルド・ジェンタ(GÉRALD GENTA)を、ブルガリの時計コレクションのひとつとして統合すること。
つまり彼らはブルガリ傘下のまま、「ブルガリ ダニエル・ロート」や「ブルガリ ジェラルド・ジェンタ」という新コレクションを製作するのである。
ブルガリは彼らの名声と高い技術をそのまま自社の時計に組み入れることができるので、複雑機構におけるトップブランドになるチャンスを得た。一方ダニエル・ロートやジェラルド・ジェンタのファンにとっては、資本が強化されたことになるので、メンテナンス体制などが担保されたと考えられる。
さらに2010年はブルガリのブース展示にも変化があった。 このブランドはどちらかというと"秘密主義"で、あまり手の内を明かさなかったのだが、今回は複雑機構の時計師の実演やムーブメントのパーツの展示を行った。「ウォッチメーカー」としての自信を深めた証拠とみてよいだろう。
取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:堀内僚太郎(Storm) Photos:Ryotaro Horiuchi(Storm)
※表記は2010年4月現在のものになります。
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