2003年よりウォッチランドグループに加わり、今ではフランク・ミュラーに次いで、グループを牽引する第二の勢力となったピエール・クンツ(PIERRE KUNZ)。これまではすべてのモデルに、反復運針をおこなうレトログラード機構を盛り込んできたが、近年は「トゥールビヨン アールデコ(2007年)」や「インフィニティ・ルーピング(2008年)」など、レトログラードを採用せず、奇想天外な機構による「独創的な時の表示方法」を模索したモデルが登場しはじめた。2009年の新作にもその傾向を示す、ブランド初のダイバーズウォッチ「スピリット・ダイバー」が出現。回転するディスク式の秒針がユニークなうえ、なんと着脱可能な水深計を装備してしまった驚愕モデルだ。一方、レトログラードもなお健在。オーナー時計師ピエール・クンツ氏が遊園地のアトラクションから着想を得たという、垂直に運針するレトログラード式時表示が画期的な「ヴェルティゴ」は、モジュールを自在に操り魔法のような文字盤上のトリックを生み出す、ピエール・クンツの才気が遺憾なく発揮されたニューモデルだ。クンツ流に咀嚼された、非レトログラードのモデルやスポーツウォッチの次にはどんな展開が待っているのだろうか。非常に期待がかかる。
VERTIGO SPORT
モデル名:ヴェルティゴ スポーツ
Ref:R020 SPORT
ケース径:43mm×43mm
ケース厚み:13.75mm
ケース素材:ステンレススチール
防水性:100m
ストラップ:ラバー
ムーブメント:自動巻 Cal.PK2001-1544(ETA製 Cal.2892ベース)、毎時28,800振動、42時間パワーリザーブ
仕様:レトログラード式時表示、スモールセコンド
価格:1,879,500円(税込)
発売予定:未定
※クリックすると詳細をご覧になれます
「ヴェルティゴ」とは、めまい、よろめきなどを意味するフランス語である。ブランドオーナーのピエール・クンツ氏が、分針が上下に反復運動するレトログラード機構を、遊園地で垂直に落下するアトラクションに乗ったときに思いついたことにちなんで命名されたという。同じ機構を搭載したモデルを、スポーツラインとクラシックラインで展開。こちらのスポーツラインはブラックトップコーティングを施した(これにより強度が約5倍にまで高められるという)ステンレススチールをケースに使用し、ベゼルの一部にはラバーを埋め込んで装飾している。ケースバックにもアールデコを彷彿とさせる特徴的な模様が描かれる。
その他2009年新作、多彩なラインナップを見るにはこちら


※クリックすると詳細をご覧になれます
文:越知絵里香 写真:板津亮
※表記は2009年2月現在のものになります。
MENU | メニュー