ポエティカルな世界観と、卓越したウォッチメイキングで世界中を魅了し続けるヴァン クリーフ＆アーペル（Van Cleef & Arpels）。2008年に引き続き、メンズラインの拡充と、マーケットに切り込んだモデルに力を入れている。信頼のおけるムーブメントを採用しながら、技術とエステティーク（美学）を重視したプロダクトや、ロマンティックなダイヤ使いなど、ヴァン クリーフ＆アーペル（Van Cleef & Arpels）らしさにあふれたモデルは、どれもブランド渾身の逸品である。 　2009年は、何と言ってもゴールドのカッティングワークが美しい「ジュルネ　ア　パリ　ウォッチ」、エナメルとマザーオブパールを組み合わせたダイヤルが見事な「レ　ジャルダン」に注目したい。「ジュルネ　ア　パリ　ウォッチ」は24時間かけてディスクが１周し、「レ　ジャルダン」では＜フランス式＞、＜イタリア　ルネサンス式＞、＜イギリス式＞、＜東洋式＞の4種類の庭園をそれぞれ表したダイヤルが、365日をかけて回転し、庭園の四季を楽しめる。また、ブランド・アイコンでもある、オープンワークの「アルハンブラ」や、「チャーム」でも新しいバージョンが発表され、存分にヴァン クリーフ＆アーペル（Van Cleef & Arpels）の、ロマンティックな時の世界を堪能できる幅広いラインナップが揃った。

　2009年、注目の「ジュルネ　ア　パリ　ウォッチ」。エッフェル塔やヴァンドーム広場に立つ塔などのパリの街並が描かれたオニキスのダイヤルに、6つの女性のシルエットと、子どものシルエットが立体的にオープンワークされたゴールドディスクがセットされている。そしてそのシルエットは、マザーオブパールのプレートから少しずつ現れてはまた時間とともに隠れ、あたかもパリの街を1日かけて散歩している姿を見るかのように、24時間かけて回転するのだ。ベゼルに配されたダイヤとマザーオブパールのマスクが光を、ダイヤルのオニキスが陰を表し、光の街・パリの1日を表現している。ややふくらんだドーム型の風防、そしてポリッシュと梨子地の2トーンの針の立体的な仕上げなど、細部にまで美しさが行き渡る。また、薄型の傑作・ピアジェ（PIAGET）の800Pムーブメントが使用されており、時計美のための技術の追求には、妥協がない姿勢が伺える。

文：天野靖恵　写真：板津亮

※表記は2009年2月現在のものになります。