毎年、自由なウォッチメイキングと独創的なアイデアで、時計シーンに常にその存在を示し続けているハミルトン（HAMILTON）。特に、ここ数年の「カーキ・シリーズ」の躍進には目を見張るものがあり、さらにデザイン性と機能性を深めたヒットモデルが次々とリリースされている。そればかりではなく、誕生以来50年という歳月を超えてもなお、普遍のモダニズムを感じさせる「ベンチュラ」や、クラシカルでゆったりとした時の流れを思わせる「ジャズマスター」シリーズのドレスウォッチでも、そのニューリリースは常に＜どこにもない新しさ＞を我々に発信し続けているのである。
　2009年は、＜色＞にこだわり、見る者を惹き付ける展開を随所に仕掛け、なおかつディテールにもこだわったプロダクトを幅広く楽しめる年になった。
　特に、「カーキ ベースジャンプ オートクロノ」は、プッシュボタンをなくし、クロノグラフ操作を全てベゼルの回転に集約したため、グローブをした手でも簡単に扱うことができる、エクストリーム系スポーツ「ベース ジャンプ」からインスピレーションを受けたモデル。また、アヴィエーション・ウォッチである「X-マッハ」は、パイロットウォッチの楽しいプロダクトとして、＜マッハの測定＞を主眼に、夢を感じるプロダクトが誕生、ハミルトン（HAMILTON）らしいミリタリーテイストは2009年も健在だ。
　そしてドレスウォッチとしては、70年代の繊細なダンディズムを感じさせる薄型ウォッチ「ジャズマスター スリム」や、ハミルトン（HAMILTON）の時代を超えた名作「ベンチュラ」からは、愛用者であったエルヴィス・プレスリーの生誕75周年を記念した「ベンチュラ XXL エルヴィス 限定モデル」と、ユニークなモデルでハミルトン（HAMILTON）らしい時計が揃っている。

　古き良き時代の、大人の粋を表現する「ジャズマスター」シリーズに、70年代のエレガンスを思わせる「ジャズマスター スリム 43mm」が登場。薄さわずか8.3mmとスリムなボディーながら、43mmというビッグフェイスで現代的なテイストに。同時に40mmサイズの「ジャズマスター スリム 40mm」も登場しているが、この43mmのSSケースのみ、繊細なミラネーゼスタイル（メッシュタイプ）のブレスレットが組み合わされている。非常にクラシカル、かつシックな大人の時計に仕上がった。サンレイ仕上げのシルバーダイヤルも美しく、視認性の良いインデックスとともに洗練されたムードを盛り上げる。また43mmではPGGPケースにカーフストラップの組み合わせのタイプも同時リリースされ、どちらもシンプルなエレガンスの薫りを楽しんで欲しい時計である。

文：天野靖恵　写真：板津亮

※表記は2009年6月現在のものになります。