今では少なくないブランドが自社製キャリバーの開発に乗り出しているが、1996年に4年の歳月を費やして完成した<Cal. L.U.C 1.96>を引っ提げてマニュファクチュールを志向したショパール(CHOPARD)はまさに“先駆者”であり、業界の範となる真面目なプロダクトを自社のアトリエから発信し続けている。そんなL.U.Cのラインナップに加えられた新作は、どれも粒ぞろいのタイムピースばかり。
まずは2006年にデビューし、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリにおいて、超薄型時計部門でグランプリを受賞したドレス系の二針ウォッチ「L.U.C XP」に、新たにスモールセコンドを加えた最新版、「L.U.C XPS」に注目したい。意匠の美しさはもちろん、今回初めてシースルー化された裏蓋から、マイクロローター(回転錘)が回転してゼンマイを巻き上げるさまが展望できるのも、マニア心をくすぐるポイントだ。
このほかにも、文字盤レイアウトが粋な「L.U.C ルナ ビッグ デート」や、クラシックなデザインに刷新された、スモールセコンドとリュウズの位置が独特な「L.U.C ツイスト」なども決して見逃せないモデルであるが、話題性という点では、「L.U.C クロノ ワン」の新作を取り上げない訳にはいかないだろう。2006年から製造されているホワイトゴールドモデルに続き、今年はステンレスモデルが初登場。優良な自社製クロノグラフが身近に感じられる、コストパフォーマンスの高さは特筆ものだ。
もちろん、L.U.C以外にも良作が続々。「ミッレ ミリア」の復刻クロノグラフや、エルトン・ジョンとコラボしたチャリティー企画モデル、またレディースからはおなじみ「ハッピースポーツ」の日本限定版が登場。ウォッチメーカーとしての矜持、そしてジュエラーとしての秀でたセンスの両方が、遺憾なく発揮された充実感たっぷりの新作陣である。