HUBLOT世界を驚かせるウブロの研究開発 その中枢を担う万能のエンジニア 01
ウブロ研究開発の最先端を担う
マティアス・ビュッテさんとの再会

筆者がマティアス・ビュッテさんと初めて会ったのは2004年にスイスで『BNBコンセプト』を取材した際であった。当時、『BNBコンセプト』はウブロのムーブメント開発・製造を担当していたが、その社名はビュッテさんと起業のパートナーであるミッシェル・ナバスさん、エンリコ・バルバシーニさんのイニシアルを繋げたもの。つまり「ビュッテ・ナバス・バルバシーニ」で「BNB」。彼らはいずれも凄腕の時計師あるいはエンジニアであり、『BNB』起業以前はスイスの名だたる時計会社で開発に従事していた華やかな経歴を持っていた。
私がマティアスさんに日本で最後に会ってから、すでに13年もの月日がたちましたが、その時から今日までに手掛けたモデルを教えてください。
「この10年間の開発で、機構的に気に入っているモデルは『メカ-10』ですね。ただ、最近は特に素材の開発に専念していたのでイエローのセラミック製ケースや色つきサファイアのケースなどが印象に残っています。
その中でも代表的なモデルは鮮やかなレッドのセラミックをケースに採用した『ビッグ・バン ウニコ レッドマジック』でしょうか?」
メカニズムだけでなく素材の開発も担当しているのですね。開発には時間がかかるのではないですか?
「私が担当するプロジェクトは『何年後に発売』と決めているわけではありません。チームには10名のスタッフがいて、そのチームでカラーのバリエーションを開発しようと決めたのですが、プロジェクトがスタートしたのは7年前でした。ただ、開発に7年かかったというわけではなく、途中で別のことをやって開発が止まった時間がありましたから開発期間としては比較的、短かったですね」
そのような進行中のプロジェクトでお話していただけるものはありますか?
「私たちのチームは、だいたい4~5年後に発表する製品を手掛けています。ですから今、開発中のものは早くても4年後に発表されるはずなので、それを公表することはできません。
それとは別に今後、新しい製品を開発するだけではなく、現在の時計業界の問題を解決しようという試みもあります。それも発表できるのは、5年後になるかと思います」
時計業界の問題とは、なんですか?
「たとえば我々はレッドのセラミックを開発しましたが、その製造工程でいくつもの問題が発生しました。完璧なレッドのセラミックができるまで何年もかけ、製造工程を変更してきましたが、色のムラが発生したり、部分的に退色したり、気泡が入ったりする問題が発生しました。それを解決するには年月がかかりますし、いったんはレッドのセラミックは完成したものの、いまだにセラミック製ケース製造における問題解決のために研究を進めています。
しかもウブロは外部から技術を持つ人を雇ってノウハウを取り込むのではなく、すべてをゼロから開発していますから結果がどう出るかは常に予想外です。だからこそ問題発生の可能性が高まるのですけどね」
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