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Watch Person Interview vol.66  フォルティス CEO マクシミリアン・スピッツィ インタビュー

放送開始50周年のウルトラセブンとの
コラボレーション限定モデル

ちなみに私にとってのヒーローは1980年代に米国で制作された『ナイトライダー』や『冒険野郎マクガイバー』でした

「日本の国民的ヒーローである『ウルトラセブン』とのコラボレーションが実現したことは、大変、喜ばしいことです。ちなみに私にとってのヒーローは1980年代に米国で制作された『ナイトライダー』や『冒険野郎マクガイバー』でした。私はこういったTV番組が大好きだったんです。そういえば子供のころ、大きなスーパーマーケットに展示されていた“ナイト2000”(『ナイトライダー』に登場する人工知能を搭載するドリームカー)と一緒に写真を撮ってもらったことを覚えています」

  今回の展示会で発表されたのは「ストラトライナー」だけでなく、なんと特撮映像で知られる円谷プロダクションが生んだ我が国の国民的ヒーロー、ウルトラセブンとのコラボレーション・モデルもある。


「これは非常にシンプルでありながら、大きな意味があるモデルです。ウルトラセブンは宇宙から来たヒーローであり、日本人にとって非常に親近感があるキャラクターですね。

  私自身、フォルティスは時計業界のヒーローでありたいと願っていますから、非常に良いコラボレーションが実現したと考えています。

  実はウルトラセブンについて今回、初めてその存在を知りましたが、世界各国にさまざまなヒーローが存在する中、その動画を拝見したところ“ウルトラセブンは永遠に人の心に残るヒーローだな”との印象を持ちました。

  ウルトラセブンは2017年で放送開始50周年を迎えました。そこで、このコラボレーション・モデルでは、ウルトラセブンにちなんで7時の位置だけにアラビア数字のインデックスを入れ、秒針の根本にはウルトラセブンの重要な武器である『アイスラッガー』を象ったモチーフがあしらわれています。

  さらに自動巻きローターにもセブンのシルエットを入れ、この時計にウルトラセブンがパワーを与えてくれるというイメージにしたのです。

  そして、蓄光塗料は針とインデックスで、ブルーとグリーンに発光するものを塗り分けています。また、ウルトラセブンのボディ・カラーにちなんだストラップも雰囲気良く仕上がっていると思います」

2017年の新作と
これからのヴィジョン

年前、私が新しいCEOに着任してから、コレクションを4つのカテゴリーにわけました

「4年前、私が新しいCEOに着任してから、コレクションを4つのカテゴリーにわけましたが、それから3年たって、それぞれのクリアなイメージが固まってきました」 写真右のモデルがバーゼル未発表の「オールブラック」。

  今回は2017年3月のバーゼルワールドで発表できなかった最新コレクションの発表のため日本を訪れたスピッツィさんだが、せっかくなのでバーゼルで発表された新作についても説明をいただいた。


「2017年の新作には、他に『パイロット・クラシック』というモデルもあります。  4年前、私が新しいCEOに着任してから、コレクションを4つのカテゴリーにわけましたが、それから3年たって、それぞれのクリアなイメージが固まってきました。

  この『パイロット・クラシック』は、よりクラシックなパイロット・ウォッチを目指して製作しました。航空パイロット自体の歴史は長く、時計にもさまざまな変遷がありますが、我々は未来ばかりではなく、過去の歴史にも焦点を当て、クラシカルな雰囲気を持ったモデルを開発したのです。

  また、『アクアティス・コレクション』も同様です。従来から『マリンマスター』というダイバーズ・モデルがありますが、新しい『ショアライナー』というシリーズは、実用面だけでなく、もう少しカジュアルなモデルとして開発しました。

  つまり、潜水するのではなく、ビーチで遊んだり、泳いだり、サーフィンを楽しむといったビーチライフを想定したモデルです。実際に海で遊ぶ人たちには、そういった方が圧倒的に多いですからね。

  私が思うに、パイロットやコスモノートなど、それぞれのカテゴリーでは範囲が広すぎるので、その中で微調整をし、実際にユーザーが望む機能やモデルを考えたのです。その結果、現在はきめ細かなもの作りができる体制が整ってきたのです。

  そして、とても幸せなことにセールスは好調です。近年、時計市場に大きな打撃がヨーロッパであったにも関わらず、フォルティスは独立した時計ブランドとして大きなグループに属することもなく、高い評価を得てセールスも安定しています。その最大の理由は、フォルティスに忠実な顧客が多いこと。これは心強いですね」


  CEO着任以来、着実な足取りでフォルティスの改革を進めるスピッツィさん。しかし、決して今の状況を楽観視はしていないようだ。


「現在は市場の変化がめまぐるしく、2~3年ですべての状況が変わってしまうことも少なくありません。また、その中で企業の再構築という話も、よく聞かれますが、必ずしも成功した例ばかりではありません。

  フォルティスについては“なぜブランドの再構築に成功したのか?”といった質問をされることが多いのですが、なんといっても百年の歴史を持つ企業ですから、実際に再構築することは決して簡単ではありませんでした。

  しかし私は、次の百年に向け、これまでフォルティスが、どうやって存在し続けてきたのかを考え、これからも改革を続けていこうと決意しています」

  • マクシミリアン・スピッツィ
  • Maximilian Spitzy
    マクシミリアン・スピッツィ


    1980年7月31日オーストリア、ザルツブルグ生まれ。イギリス、フランスなどヨーロッパ各国と中国への留学でビジネスと経営学を学び、その経験から母国語のドイツ語に加え英語、スペイン語、フランス語、中国語の5か国語を自在に操る。その後、アジアの不動産、投資、物流倉庫、飲料の分野において新規事業設立や運営、市場開拓などで成功を収め、2013年9月、その手腕を買われフォルティス社CEOに抜擢される。就任直後からコレクションの再構築に着手し、フォルティスの個性を際だたせたことで再建に成功。その手腕が高く評価されている。

取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:山下亮一 / Photos:Yamashita Ryoichi


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