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Watch Person Interview vol.62  チャペック CEO ザビエル・デ・ロックモーレル、チェアマン ハリー・グール インタビュー

ロシアへの反乱により故国ボヘミアを脱出
ジュネーブへと流れた時計師チャペック

チャペック社(Czapek & Cie)時代の代表作「No.3430」

チャペック社(Czapek & Cie)時代の1850年頃に製作された、代表作「No.3430」。7時位置のスモールセコンドと、5時位置の1本針で表示するパワーリザーブ(右側)+曜日(左側)計が特徴。2016年に新生チャペック社が腕時計として復活させた。

  かつては功あり名を遂げながら、運命のいたずらか長く歴史に埋もれ、その名を忘れ去られた時計師が存在する。彼らの中には、これまた運命的に発見され、現代によみがえった例も多い。ジャン-クロード・ビバー氏によって復活したブランパンはその好例であろう。


  2015年、ひとりの謎多き時計師の名を掲げる時計会社がスイスで復活し、翌2016年の10月に、日本に正式輸入販売されることが決定した。時計師の名はフランソワ・チャペック(Francois Czapek。原名はフランティシェック・チャペック。1839年に改名)。ここで簡単に彼の歴史を辿ってみたい。


  1811年4月4日に、旧ボヘミアのセモニッツ(現チェコ共和国)に生まれ、ロシア支配に対する1830年の反乱「11月蜂起」後、時計職人としてワルシャワへ逃亡。その後ジュネーブで運命的といえる、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテック(Antoine Norbert de Patek。原名はアントニ・パテック)と出会う。パテックもポーランドのピアスキの貴族の家に生まれ、チャペック同様「11月蜂起」後にジュネーブに落ち着いた人物だった。


  ふたりがジュネーブで出会った経緯は不明である。当地はポーランドからの難民が多かったため、同国人のネットワークで知り合ったのではないか、とチャペック復興の立役者のひとり、ハリー・グール氏は推測する。

  1839年1月、フランソワ・チャペックとアントワーヌ・パテックは6年という期間限定で共同事業会社「パテック・チャペック社(Patek,Czapek & Cie)」を設立。時計史をご存知の方はご推察のとおり、これが現在のパテック フィリップ(Patek Philippe)の源流となったのである。ちなみにチャペックは時計製造、パテックは販売や会社運営という得意分野での役割分担があった。


  契約期限となる前年の1844年に、自社製品をパリ博覧会(1798年から1849年にかけて11回開催された博覧会のことで、1855年以降のパリ万国博覧会とは別のものと思われる)に出展すべく当地を訪れたパテックは、時計師ジャン・アドリアン・フィリップ(Jean Adrien Philippe)と出会い意気投合。翌年の5月、フィリップの参加と合わせるかのように、契約期限の満了を機にチャペックは社を去り、社名は「パテック社(Patek & Cie)」に変更。さらに1851年に社名は「パテック フィリップ社(Patek & Philippe Cie)」に変更される。


  会社を辞した後のチャペックは新パートナーであるユリウシュ・グルツェフスキー(Juliusz Gruzewski)と共に「チャペック社(Czapek & Cie)」を設立。1850年、7時位置にスモールセコンド、5時位置に1本針の指針式カレンダー & パワーリザーブ計を設置する懐中時計「No.3430」を製作。また初のポーランド語による時計技術解説書『Zegarmistrzowstwie』を著し、ジュネーブのベルク地区に工房、パリのヴァンドーム広場とワルシャワにブティックを構え、顧客にはナポレオン3世を持つなどの実績を残しながら、時計師フランソワ・チャペックの晩年はその没年も含めて、未だ不明である。

取材・文:田中克幸 / Report&Text:Katsuyuki Tanaka
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto


チャペック(CZAPEK) についてのお問合せは……
株式会社ノーブルスタイリング
〒153-8580 東京都目黒区三田1-4-1 ウェスティンホテル東京 1F
TEL: 03-6277-1604

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