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Watch Person Interview vol.49  歴史に埋もれていた 超絶技術の集大成

歴史に埋もれていた 超絶技術の集大成

  200年の時を経て甦ったフレール・ロシャのシンギングバード。ヴェランさんたちが製作する新しい作品は、どのような特徴があるのだろうか?


「このシンギングバードは、翼、頭、くちばし、尻尾を動かし、モーツァルトなど4つの音楽と鳴き声を奏でます。そして小鳥の歌も含め、どのメロディも5.4秒の演奏時間があります。これは世界で唯一の、もっとも複雑なシンギングバードであり、我々だけが作ることができるものです。そして、このような手の込んだ装飾ができるのも我々だけです。

  これらの複雑な機構が、すべて名刺サイズのムーブメントに収まっています」


  ここでひとつ疑問に思ったのは、過去のシンギングバードでは例外なく小鳥が鳥の羽根(羽毛)で飾られているが、この新しい作品にはその羽毛が見られないことだ。


「羽毛がない理由ですか? そもそも小鳥に羽毛が付けられたのには三つの理由がありました。ひとつは小鳥らしく見せるため。次に翼を軽くして素早く動かすため。そして羽毛でビスを隠すためです。

  しかし、私たちの小鳥にはビスやピンは見えません。このように過去のロシャ兄弟社を超えたいという思いが、新しいシンギングバードに込められています。

  また、我々の作品は三つの特徴を持っています。第1は小鳥をひとつのコンポーネントとして作ったこと。これによりビスやピンが表になく、金属の小鳥の表面に装飾が可能です。第2は鳥がさえずらない時でも見えること。第3は小鳥の滑らかな動きです」


  極めて精巧に作られ、かつての作品を凌駕する新たなる傑作シンギングバードだが、そのもうひとつの特徴が、外装の装飾である。


「私はこの作品を作るにあたって、私は世界でもっとも精巧な複雑機構というだけでなく、もっとも優れた装飾も実現したいと思いました。

  そのひとつの成果が桜をモチーフにしたモデルです。ケースはホワイトゴールド製。蓋や小鳥の巣、小鳥自体もホワイトゴールドで、桜の枝と花、そして小鳥も手で彫刻が施されています。

  そしてケースには、ラウンドカットで合計七カラットのダイヤモンドをセットしました。バゲットカットのダイヤモンドは合計17カラットを超えるもので、望むサイズのダイヤをそろえることが難しかったのです。

  また、花びらはエナメル装飾。小鳥のくちばしと尾はチタン製です。このように我々の作品は特別であり、非常に希少です。そして今回、初めて日本に持ってきたのです」

フレール・ロシャ製シンギングバードの内部構造がわかるイメージ・ビデオ。

取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto


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株式会社ノーブル スタイリング
〒153-8580 東京都目黒区三田1-4-1 ウェスティンホテル東京1F
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