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Gressive Impression  創業185年を祝賀する渾身の新作『コンクエスト V.H.P.』名門ロンジン、185年目の偉業

創業185年を迎え
ますます好調な名門ロンジン

ウォルター・フォン・カネル

Walter Von Kaenel
ウォルター・フォン・カネル

1941年9月1日、ドイツ・シュウェーリン生まれ。国籍はスイス。スイス連邦政府税関技術担当職を経て、1964年、ラ・ショー・ド・フォンの時計ダイアル・ケースのメーカー、ジャン・シンガー社に転職。1969年、サンティミエのロンジンに入社。営業部や販売促進部を経て、1988年に社長に就任。1991年からスウォッチ グループ最高経営者会議に参加。取締役に就任。

  御年76歳。1969年にロンジンに入社し、1988年に社長に就任して以来、現在までトップの座に君臨し続けるスイス時計界の重鎮ウォルター・フォン・カネル氏。今回、我々Gressive取材班はバーゼルワールド開催中、奇跡的にカネル氏とのインタビューに成功し、185周年を迎えたロンジンの今と注目の新作を中心に話をうかがった。


「今年(2017年)は、非常にスタートが良かったですね。3月には自信作『コンクエスト V.H.P.』の発表会をヌーシャテル天文台で開催しました。

  確かに2016年には厳しい局面もありましたが、その影響はわずかであり、今は非常に好調です。

  そのロンジンの新しい象徴となるのが、先ほどお話しした、3月発表の『コンクエスト V.H.P.』です。


  実はクォーツについてロンジンは豊富で長い経験を持っている。


「1969年12月、セイコーが『クオーツアストロン』を発売し、世界初のクォーツ腕時計を発売しましたが、我々ロンジンもほぼ同時期にクォーツ腕時計を準備していたのです。それが1969年に発表した“世界初の量産可能なクォーツ腕時計”である『ウルトラクォーツ』です。

  しかし、デリバリーが遅れたことで“世界初の市販クォーツ腕時計”という栄誉を逸してしまいました。

  実は服部セイコー(現在のセイコーホールディングス)は、ロンジンのかつての日本輸入代理店であり、経営する服部ファミリーとも昔から懇意にしていました。ですから1974年に三代目社長の服部正次さんが亡くなられた際には、そのご葬儀にも参列しています。

  その後、1974年に私は日本でロンジン ジャパンを設立し、帝国ホテルにオフィスを構えたのです。それが今日のスウォッチ グループ ジャパンの母体です」


  フォン・カネル氏の説明の通り、スウォッチ グループ ジャパンは、カネル氏が東京に開設したロンジン ジャパンを基盤として発展してきたのである。

年差±5秒を実現した高精度クォーツ
『コンクエスト V.H.P.』の誕生

ここで私たちが求めたのは、第一に通常より精度が高いことでした

「『コンクエスト V.H.P.』に搭載されるCal.L288.2のような優れたムーブメントを手に入れたければ、やはり自分たちが求めている機能をしっかりと把握していなければならないでしょう。ここで私たちが求めたのは、第一に通常より精度が高いことでした」

  それにしても、今回発表された新作『コンクエスト V.H.P.』は、年差±5秒という高精度を実現しながら、ベーシックな三針モデルが121,000円(税抜)、クロノグラフで196,000円(税抜)という手頃な価格が設定されている。その秘密とは何なのか?


「なぜ、このような手頃な価格が実現したのか? それは企業努力の賜物です。もちろん限界はありますが、私の理念でもある、より多くの数を流通させる、ということを実現したいのであれば、手頃な価格を実現しなければならないのです。そして、その努力は報われていると思います。

  さらに言えば、このような高精度なクォーツ・ムーブメントを他社では持っていないので、ロンジンはこれから長い期間、そのメリットを享受することができるでしょう」


  このロンジンの高精度クォーツ・ムーブメントであるCal.L288.2は、同じスウォッチ・グループに所属するムーブメント製造専門部門のETA社が開発を担当している。


「もちろん、このような優れたムーブメントを手に入れたければ、自分たちが求める機能をしっかりと把握していなければなりません。

  ここで私が求めたのは、まず通常より精度が高いこと。特に日本のブランドと競争するなら、どんな状況でも年差±5秒以内の精度が必要です。


  第二は耐磁性。さらにリューズの簡単な操作で時刻合わせができ、カレンダーの修正もできる“スマートクラウン”という機能や、衝撃や磁場で時計が停止しても針位置を自動修正する「GPD(ギアポジション探知)システム」、4年間という長い電池寿命なども大切です。こういった諸条件をETA社に提示して開発を進めました」

「私は仕事を続けているから、
回顧録の出版はまだまだ先だね」

ロンジン ヘリテージ1945

1945年に製作された稀少なヴィンテージ・モデルをモチーフに製作された新作『ロンジン ヘリテージ1945』(215,000円 税抜)。シリンダー型ケースのモデルに、コッパー(銅)・カラーのダイアルが映える傑作の復刻版。

  さて、2017年は『コンクエスト V.H.P.』以外にも注目すべき新作が数々あるが、中でも我々が注目したのが『ヘリテージ1945』だ。


「この『ロンジン ヘリテージ 1945』は非常に美しいモデルですが、ミュージアムに該当する時計がなかったので、アメリカの時計サイトのオーナー所蔵品を借用し、これをサンプルとして開発しました。この原型モデルは極めて生産量が少なくそれが復刻でき、我々は非常に喜んでいます」


  このような名品や傑作を生み出してきたロンジンは、2017年に創業から185周年を迎えた。これにまつわる、何か特別な計画はあるのだろうか?


「185周年のイベントはいろいろ考えていますが、そのひとつとして本を出版します。これは時計やムーブメントに関するものではなく、時計の歴史を紹介する本です。それはもうここにありますが、秋に発売を予定しています。

  この本の出版に加え、キーとなるマーケットでも、それぞれイベントがあるはずです」


  1988年代からロンジンの社長を務めるフォン・カネル氏。そこには、先ほど紹介したロンジン・ジャパンの設立だけでなく、さまざまなエピソードがあるはず。その思い出をまとめた回顧録の出版は予定されていないのか?


「私の回顧録ですか?

  それは、私がまだ働いているので当分、出ないでしょう。ただ、もし回顧録を出すのであれば、最低3冊は必要ですね。

  まず一冊目は、時計界について、表も裏も知ることのできる本。

  そして二冊目は時計に関してのプロフェッショナルな本。

  三冊目は軍隊や政治、歴史にまつわる本で、それは私の仕事以外の趣味、つまり武器や絵画、カーペットなどのコレクションについての本になるでしょう」


  そう話しながら茶目っ気たっぷりの笑顔を魅せるフォン・カネル氏。この様子では、回顧録の執筆は当分、先になりそうだ。

取材・文・写真:名畑政治 / Report,Text&Photos:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎、江藤義典 / Photos:Ryotaro Horiuchi(Part.1),Yoshinori Eto(Part.3)
協力:スウォッチ グループ ジャパン ロンジン事業部


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