ブルーというトレンドを楽しむ
最高峰のG-SHOCK


カラー巧者が作り上げたブルーウォッチ

 2021年の新作時計で目立ったのが、豊富なカラー展開。グリーンやバーガンディといった個性色をまとう高級時計が数多く発表されている。なぜこれほどまでに、色で遊ぶモデルが増えたのか? 最大の理由は時計のファッション化であろう。誰もがスマートフォンを持っている時代では、腕時計は時刻を知るための道具では収まらない。ファッションと同様に自己表現して楽しむライフスタイルウォッチとしての価値を求められており、だからこそ手元を華やがせるカラフル化が進んでいるのだ。


 しかしこういった流れは今に始まったことではない。何を隠そう、1983年にデビューしたG-SHOCKこそが、時計をファッション化させた張本人だった。耐衝撃ウォッチとして登場したG-SHOCKは、外装の樹脂ケースの特性を利用したイエローやレッド、ホワイトなどカラフルなモデルを次々とリリースしていった。それはコーディネートを締める差し色として受け入れられ、時計をアクセサリーとして楽しむというスタイルが定着した。つまり昨今のカラフルな高級時計のブ-ムは、G-SHOCKが源流のひとつなのだ。


スイスの高級時計はダイヤルをブルーにすることが多い。しかし「MRG-B2000B-1AJR」はポイントにブルーを加えており、G-SHOCKらしい黒の世界を活かす洗練された雰囲気に。


 そして今では時計のショーケースには、様々なカラーを纏った高級時計が並ぶようになった。ではG-SHOCKはどうか? もちろん独自の進化を遂げている。


 最高峰モデルのMR-Gでは、2017年に赤の甲冑をイメージした“赤備え”モデルをリリース。そして今年は勝利をもたらす色として戦国武将たちから愛されてきた“勝色(かちいろ)”をあしらった「MRG-B2000B-1AJR」が誕生した。勝色とは藍染めに代表される濃紺色のことで、印象に残る色でありながら、知的さと上品さも楽しめる。


 ブルーは高級時計でも人気だが、このモデルは針やロゴ、表示リングなどポイントでブルーを使うことで、G-SHOCKらしい黒のタフネスさに濃紺の美しさが調和している。色を駆使してファッション的に楽しまれてきたG-SHOCKは、色を効果的に使う引き算のテクニックにもたけている。そんなセンスあふれる時計に仕上がった。


最高峰にふさわしい語れるディテールたち

 “勝色”モデルであるため、どうしても美しい濃紺に目が行くが、それ以外のディテールでもG-SHOCKの最高峰にふさわしい仕上がりになっている。例えばインデックスは、刀のそりをイメージした柔らかなカーブを描きつつ、エッジ面はシャープに仕上げている。さらにナノ加工技術を生かした細かな挽き目加工を取り入れ、さらにインデックス間には扇や屏風をイメージしたカット面が入っている。こういったディテールの陰影が、ブルーをより引き立たせるのだ。


華やかなゴールド色のインデックスは、細やかな仕上げも必見。視認性と高級感の両方がある。


 またダイヤル表面のパターンにも注目してほしい。ベース面に入る模様は日本文化を代表する「鱗紋(うろこもん)」で、三角形が連続するこの紋様によって神秘的な雰囲気を作っている。ダイヤル面に精緻な仕上げを取り入れるのは、高級時計の定番テクニックだが、MR-Gもその価値にあった高級感の演出が巧みになってきた。


鱗紋が入ったダイヤル。ほどよく光の反射を抑えるので、針が読みやすくなる効果も。


 そしてがっちりとしたチタンケースは、キレのある斜面が作り出す立体造形の美しさも必見。しかも深層硬化処理とDLC処理で硬度を高めており、この美しい姿をいつまでも保てる。プッシュボタンには「クラッドガード構造」を採用しており、ゴールド色のガードパーツとボタンを組み合わせることで、操作性の良さと耐衝撃性能を兼ね備えた。


加工が難しいとされるチタン素材をエッジまで美しく仕上げる。こういったディテールの積み重ねが、MR-Gの高級感を引き出すのだ。


 タフネスと高級感、トレンドカラーの全てを盛り込んだMRG-B2000B-1AJRは、かなり贅沢なモデルなのである。

>>“勝色”モデルは2つのバリエーション


ブルーというトレンドを楽しむ最高峰のG-SHOCK リスト

取材・文 / text:篠田 哲生 / Tetsuo Shinoda
写真 / Photos:江藤 義典 / Yoshinori Eto


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