2023 New Model ｜ HUBLOT
2023年ウブロ新作　MP-13 トゥールビヨンバイ-アクシスレトログラード

【編集顧問田中克幸ピックアップ】

　ウブロの技術力を極めるMP（Master Piece＝マスターピース）コレクションの新作「MP-13 トゥールビヨンバイ-アクシスレトログラード（MP-13 TOURBILLON BI-AXIS RETROGRADE）」。約4日間（約96時間）のロングパワーリザーブ機能を持つ2軸トゥールビヨンに加え、ウブロ初設計の時・分対応のバイレトログラード機能を装備する複雑モデルである。バイレトログラードは扇型外周部の外側を“分”、内側に“時”を表示。さらに2軸で回転するトゥールビヨンの浮遊感をドラマティックに演出するため、6時位置のスペースを開放し、サファイアクリスタル全体の透明性も追求している。手巻き式ムーブメント、Cal.HUB6200搭載。世界限定50本。

MP-13 TOURBILLON BI-AXIS RETROGRADE
MP-13 トゥールビヨンバイ-アクシスレトログラード
Ref：913.NX.1170.RX
ケース径：44mm
ケース厚：16.7mm
ケース素材：チタニウム(サテン仕上げ)
防水性：3気圧(30m)
ストラップ：ブラックラバー(ライン入り)、チタニウム製フォールディングバックル
ムーブメント：手巻き2軸トゥールビヨン Cal.HUB6200、毎時21,600振動(3Hz)、パーツ数374個、44石、約96時間パワーリザーブ
仕様：時・分表示、シースルーバック、バイレトログラード
限定：世界限定50本
価格：20,218,000円(税込)

2009年6月竣工、10月にグランドオープンしたスイス・二オンのマニュファクチュール“H1”（アッシュ・アン）。それから14年後の2023年に発表された13番目のMP（Master Piece＝マスターピース）コレクションの搭載ムーブメントが、今回のMP-13に採用されたCal.HUB6200である。H1完成後、ウブロはUNICO（ウニコ）等の自社ムーブメントの開発に拍車がかかったことは、時計愛好家の多くが知るところ。2軸トゥールビヨンの目的は当メカニズムの本来の機能＝姿勢差による重力偏差相殺機能のさらなる精度向上にあるが、回転動作が生み出す視覚的エンターテインメントも見逃せない。このため6時位置にカーブを描くサファイアクリスタルの成形技術が重要なポイントになるが、ウブロはすでに2018年発表の「ビッグ・バン MP-11 14デイパワーリザーブサファイア」等でこの技術を実現している。

ムーブメントから2軸トゥールビヨンのパーツを取り出し展示した写真。Cal.HUB6200のパーツ数は374個。2軸・バイレトログラード・約4日間（約96時間）のパワーリザーブという3つの要素を完成させた点が当モデルのポイントだ。レトログラードは針の帰零時と再始動時にかかるムーブメントへの負荷ならびにエネルギーが問題となる。この困難な課題を、Cal.HUB6200は時・分というふたつのレトログラード機能と2軸トゥールビヨンの複合機能を完成させた上に、約4日間（約96時間）のパワーリザーブを実現させた点が素晴らしい。また3時位置のリューズはひとつのポジションのみの設計で、これは通常の2針や3針時計と同じ。ムーブメントの巻き上げ方向は一方向のみなので、針の逆進によるムーブメントの破損を防止する。