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CARL F. BUCHERER適材適所を貫く理論的ウォッチメイキング

適材適所を貫く理論的ウォッチメイキング

ファクトリーの外観。内部はかなりモダンに改装している。

ファクトリーの外観。内部はかなりモダンに改装している。

  オリジナルウォッチで好評を得てきた名門時計店ブヘラは、2001年に高級時計部門を分離独立させ、時計ブランド「カール F. ブヘラ」を立ち上げる。企画やデザインはルツェルンで行うが、時計製造は、巨大なムーブメント会社や人気時計ブランドが居並ぶレングナウのファクトリーで行う。


  ここではムーブメントの設計から、パーツ製造、あるいはアッセンブリーなど、時計製造に関する全てを行っている。今回の取材では、実際に時計を製造する過程を追いかけるようにファクトリーを巡った。


  まず初めは「ムーブメント設計」。カール F. ブヘラでは、2008年に自社製ムーブメントCal.CFB A1000を完成させ、それ以降もバリエーションを追加している。自社ムーブメントの研究開発は、サントクロアにある研究所で行い、そのプロトタイプをレングナウのファクトリーにて、量産可能な設計図へとブラッシュアップされる。自社ムーブメントには新しい技術やデザインを取り入れることが多いので、パーツ製造用のツールを作る場合もあるそう。プロトタイプに対して衝撃テストなどを行い、様々な問題をクリアすると、いよいよパーツの製造がスタートする。


  整理整頓の行き届いた工作ルームには、CNCマシンを中心に様々な工作機器が並んでいる。ここでは自社製ムーブメントの地板や受けを作成している。驚いたのは、内製と外注のバランスの良さ。一枚の板をプレートの形に合わせて切削するのは自社ファクトリーだが、そこにコード・ド・ジュネーブ仕上げを行うのは外部の会社に任せている。そして戻ってきたパーツのエッジを面取りするのは、自社の工作機械だ。つまり適材適所でアウトソーシング化を進めることで、上手にコストを抑えているのだ。


  ムーブメントの組み立て工程にも、カール F. ブヘラの賢い戦略が見える。まずはパーツを組み立てる前に、地板やプレートにピンや人工ルビー製の穴石をはめ込む必要があるのだが、これを人間が行うにはかなり労力が必要なので、オートメーション化を進めている。さらには機械式ムーブメントには欠かすことができない潤滑油も機械が担当。熟練職人であっても、ばらつきが生じるセンシティブな行程ゆえに、自動化すれば作業効率が高めるだけでなく、製品の平均レベルを高めることができるのだ。今は時計の組み立ては職人が行っているが、将来的にはそれさえも全自動化したいと考えているそうだ。


  最後はカスタマーサービス部門。自社製ムーブメントには「ペリフェラルローター」という特殊な技術を使っているが、それでも故障率はスイス時計ブランドの平均を大きく下回っているそう。さらに金庫室にはパーツを丁寧に保管しており、万全のアフターサービス体制を作っている。


  カール F. ブヘラの時計は、頑固一徹なルツェルン気質を強く受け継いでいる。独自性を尊び、ユーザー目線を忘れず、真摯に時計作りに励みつつも、時代に応じたアップデートを大切にする。良い時計とは何かを頑固に突き詰めることこそが、カール F. ブヘラの奥底に流れている信念なのだ。


取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto

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